Lighter/ライター (LIT)
仮想通貨LIT(Lighter/ライター)とは?
LITは、イーサリアムL2上に構築されたゼロ知識証明ロールアップベースの分散型取引所ライターのネイティブトークンです。ライターエコシステム全体へのアクセスや、インセンティブ、参加者との信頼関係構築を支える役割を担っています。
ライターは、セキュリティ、スケーラビリティ、パフォーマンスの3つを柱に設計された分散型取引プラットフォームです。検証可能な注文の照合と清算を提供する初の取引所を掲げており、従来の中央集権型取引所に匹敵するパフォーマンスの実現を目指しています。
ライターの技術基盤は「ライター・コア」と呼ばれ、ゼロ知識証明を用いて内容を明かさずに取引の正当性を証明する技術「SNARK」を用いて、注文の照合や清算を含むすべてのオペレーションの正当性を暗号学的に証明します。証明はイーサリアム上のスマートコントラクトで検証され、正当性が確認された後に、はじめて取引所の状態が更新されます。資産はイーサリアム上のスマートコントラクトに保管され、ユーザーは常に管理する権利を保有できます。
さらに「エスケープハッチ」と呼ばれる緊急時の脱出メカニズムを備えています。ユーザーはイーサリアム上での出金やポジション解消の優先的なトランザクションを送信でき、シーケンサーが所定の期限内に処理しなかった場合、スマートコントラクトが自動で凍結されます。その後、イーサリアム上のデータを用いて、資産を引き出すことが可能です。
LITの主なユーティリティは以下の通りです。
- ステーキング
- LLP(ライター流動性プール)へのアクセス
- ステーキング報酬の獲得
- プレミアムアカウントの取引手数料割引
- ファンディングレートの一部の還元
運営チームは、ライターの全プロダクト・サービスから生まれる価値はLIT保有者に完全に帰属する設計と述べています。取引の執行やその公正性を検証するインフラはLITステーキング量に基づく段階的な構造で提供され、分散化される方針です。さらに将来的には、市場データへのアクセスや価格検証においてもLITが手数料トークンとして使用される構想が示されています。
ライターの標準アカウントでは、メイカー・テイカーともに手数料ゼロで取引が可能です。プレミアムアカウントにはメイカー手数料0.004%、テイカー手数料0.028%が課されますが、LITをステーキングすることで段階的に手数料割引が適用されます。
LIT(Lighter/ライター)のトークノミクス
LITは、ライターエコシステムにおけるインフラストラクチャーを構築するトークンとして、ステーキング、手数料割引、バイバックのような仕組みを通じて、プロトコルの経済設計の中核を担っています。
LITの最大供給量は、1,000,000,000 LIT(10億LIT)です。イーサリアム上のトークンコントラクトにおいてハードコードされており、デプロイ時に全量が発行される設計です。追加発行の仕組みはコントラクトに実装されていないため、最大供給量が変更されることはありません。
配分
LITの配分は、エコシステム向け50%とチーム・投資家向け50%に大別されます。
| カテゴリ | 割合 | 用途 |
|---|---|---|
| エアドロップ | 25% | ポイントシーズン1・2の参加者への配布。TGE時に即時アンロック |
| エコシステム(将来分) | 25% | 将来のポイントシーズン、パートナーシップ、成長施策 |
| チーム | 26% | コアチームへの長期インセンティブ |
| 投資家 | 24% | 投資家への割り当て |
エアドロップ分の25%はTGE時に即時アンロックされ、ベスティングはありません。チームおよび投資家の割り当ての合計50%は、1年間のロック期間の後、3年間で線形の段階的解除が適用されます。
需給に関わる仕組み
LITのステーキングプールでは、長期保有者がプロトコルと利害を一致させる仕組みが提供されています。2026年2月現在で稼働中のプログラムは「ライター流動性プールへのアクセス」と「ステーキング報酬」の2つです。ライター流動性プールでは、1LITのステーキングにつき最大10USDCを預入することが可能です。ステーキング報酬は、2026年2月時点で会社の資金とTGE前の収益を原資に運用されており、今後は専用プログラムによる利回り提供へ移行予定です。
また、取引手数料の収益を原資としてLITのバイバックが実施されています。24時間のTWAP(時間加重平均価格)を用いて毎日実行され、状況に応じてより短い時間枠での実行も可能です。収益はオンチェーンでリアルタイムに追跡可能で、市場環境に応じて成長施策の原資とバイバックの原資に配分されます。
プレミアムアカウントのユーザーは、LITのステーキング量に応じて取引手数料と取引速度の両方で段階的な割引を受けられます。さらに、今後導入予定の「LIT手数料クレジット」プログラムでは、十分なLITを保有していないユーザーでも一定の費用を支払って手数料割引の権利を購入できる仕組みが計画されており、その売上はLITステーカーに利回りとして分配される設計です。
押さえておくべき注意点
最大供給量は10億LITに固定されており追加発行されませんが、チームや投資家分の合計50%のアンロックが1年経過後に開始される点には注意が必要です。線形の段階的解除により急激な売り圧は抑制される設計ですが、3年間にわたり供給が段階的に増加します。また、バイバックの継続性は取引手数料収入に依存するため、取引量の推移にも左右されます。
LIT(Lighter/ライター)の将来性は?
ライターは、ZKロールアップ技術を活用した検証可能な分散型取引インフラとして、いくつかの注目材料とリスクがあります。
技術的な差別化
ライターは、注文の照合と清算の両方をゼロ知識証明で検証する点を最大の技術的特徴としています。多くの分散型取引所がAMM(自動マーケットメイカー)方式を採用する中、ライターはオーダーブック方式を採用しつつ、先に出された注文が優先される仕組みを暗号学的に保証しています。この仕組みにより、シーケンサーによる注文の恣意的な並べ替えや検閲のリスクが構造的に軽減されると公表しています。
同じく無期限先物取引に特化した競合としては、独自チェーンでコンセンサスベースの検証を行うハイパーリキッドやdYdX v4、BNBチェーン上のアスターなどが存在します。ライターは独自チェーンを持たず、イーサリアムを決済レイヤーとして活用することで、イーサリアムのセキュリティと流動性を直接活かせる点が差別化のポイントです。
有力な投資家からの資金調達
ライターは、ロビンフッドやコインベース、アンドリーセン・ホロウィッツ、ドラゴンフライ、Coatueなどから資金調達を行っており、パートナーが強力な点も重要なポイントです。
エコシステムの拡大
ライターは現在、無期限先物取引を主力プロダクトとして提供しており、RWA(現実世界の資産)の先物市場にも対応しています。商品、株式、債券などのRWA市場が24時間取引可能です。また、TradFi(伝統的金融)と分散型取引所の接点にあるインフラとして、RWAを分散型取引所に追加し、同時に伝統的金融に検証可能性と構成可能性を提供する双方向のビジョンが掲げられています。パブリックプール機能やモバイルアプリもリリースされており、利用者層の拡大を図っています。
考慮すべきリスク
ライターの将来性を検討する上で、以下のリスクを考慮しておくと良いでしょう。
- トークンアンロックによる供給の増加
- 競争環境の激化
- 規制
チーム・投資家分の合計50%は1年のロック後に3年間の段階的なリニアベスティングで段階的にアンロックされるため、供給が過多になり、売り圧となる可能性があります。
また、無期限先物の分散型取引市場にはハイパーリキッド、dYdX 、アスターなどの競合が存在し、ライターの取引量が十分に成長しない場合、バイバックの原資である手数料収入が限定される可能性があります。
規制面でも、暗号資産デリバティブ取引は各国で制限される事例も出てきており、規制環境の変化がプラットフォームの利用に影響を与える可能性がある点にも注意が必要です。