ステーブルコイン最大手テザーは1日、2026年第1四半期の保証報告書を公開した。世界5大会計事務所の一つBDOが作成した報告書によると、市場の変動が激しい中でも約10億4,000万ドル(約1,650億円)の純利益を計上した。超過準備金は過去最高を記録している。
総資産30兆円で圧倒的な存在感を示す
報告書によれば、同社の超過準備金は82億3,000万ドル(約1兆3,000億円)に達した。総資産は約1,917億ドル(約30兆円)となり、負債総額の約1,835億ドル(約29兆円)を上回る。これにより、同社の極めて高い水準での財務の健全性が示された形だ。
準備資産の構成では、引き続き流動性の高い短期の米国債が中心となっている。米国債への直接・間接的なエクスポージャーは約1,410億ドル(約22兆円)に上る。これにより、テザー社は世界第17位の米国債保有者となり、世界のドル需要を支えるパイプ役となっている。
米国債以外の準備資産としては、実物資産である金に約200億ドル(約3.1兆円)、ビットコインに約70億ドル(約1兆円)を割り当てている。流動性と回復力を維持しつつ、マクロ経済のストレス環境下でも機能する資産へと意図的に分散投資していることがわかる。
また、同社の自己資金による投資は、USDT
USDTの裏付けとなる準備金とは完全に分離されていることも強調された。これらの投資は超過資本と利益のみから捻出されており、発行済みトークンの品質や流動性、透明性には一切影響を与えないと強調している。
テザー社CEOのパオロ・アルドイノ氏は、「我々の責任は妥協なくUSDTを機能させることだ」と語る。好環境や外部支援に依存せず、いかなる市場環境でも同じように機能する、シンプルで流動性が高く、回復力のある構造を構築することに注力していると述べた。
世界17位の米国債保有者となったテザー社は、もはや暗号資産市場の枠を超え、米国の国債市場においても無視できない存在だ。自己資金投資と準備金の分離を明確にしている点は評価できるが、その巨大さゆえに、今後の金融規制当局の監視の目はさらに厳しくなることが予想される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.7円)




