日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が、暗号資産(仮想通貨)ステーキングに関する事業者向けの運営指針を策定し、近く公表することが明らかになった。1日、日本経済新聞が報じた。
手数料開示やリスク説明の在り方、リスク管理対応などを明文化
今回の指針は、ステーキングサービスを提供する事業者を対象としたもので、運営における基本的な考え方や対応事項を整理した内容となる。個人投資家の利用が広がる中、サービス提供の在り方について指針が求められていた。
指針では、ステーキングに伴うリスクや仕組みに関する説明の在り方、情報開示の方法などについて、事業者が果たすべき説明責任を明文化する。これまで指摘されてきた手数料の不透明性や、取引所が破綻した場合のリスク管理への対応などを踏まえ、利用者が適切に判断できる環境の整備を促す狙いがあるとみられる。
背景には、制度面での動きがある。政府は4月10日に金融商品取引法の改正案を閣議決定し、暗号資産の規制を従来の資金決済法から金商法の枠組みへ移行させる方針を打ち出した。暗号資産ETFの解禁も視野に入っており、関連市場の取引拡大が現実味を帯びている。
こうした流れの中で、JCBAは業界団体として自主的なルール整備を進めてきた。ステーキング部会は2025年1月頃から議論を開始し、意見募集や原案の協議を重ねながら内容の最終化を図った。4月15日の第4回部会では、成果物となる「暗号資産ステーキングビジネスに関するベストプラクティス」の説明と意見交換が行われている。
また、制度面だけでなく国内での利用拡大も背景と見られる。大手暗号資産取引所コインチェックが提供する「Coincheckステーキング」は2025年1月末の開始以来、利用者数は40万人超、累計報酬支払額は約17億円に達した。対象資産を保有するだけで報酬を自動で受け取れる手軽さが、継続保有の動機づけになっているという。
制度整備と市場拡大が同時に進む中で、業界団体による指針の策定はサービスの信頼性向上に向けた重要な一歩と言える。JCBAの健全な取引環境の構築に向けた今後の取り組みに期待したい。
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