フェイスブック・インスタグラム・ワッツアップを運営するMeta(メタ)は、コロンビアとフィリピンの一部クリエイターを対象に、ステーブルコイン「USDC
USDC」での報酬支払いを開始した。メタ公式サポートページの更新により明らかになった。対応チェーンはソラナとポリゴンの2つで、決済インフラにはストライプを採用している。
クリエイターはウォレットを接続するだけ──USDCの換金はセルフサービス
対象となるクリエイターは、フェイスブックの支払い設定画面から暗号資産(仮想通貨)ウォレットのアドレスを入力し、ソラナまたはポリゴン上のUSDCで報酬を受け取る。対応ウォレットにはメタマスク、ファントム、クラーケン、バイナンス、バイビット、エクソダス、ブレイブウォレットなどが挙げられている。
ただし、メタはUSDCを法定通貨に換金するサービスは提供しない。クリエイターが現金化するには、自身で暗号資産取引所に送金し、現地通貨に交換して銀行口座に出金する必要がある。また、メタは「暗号資産の利用にはメタ側でコントロールできない固有のリスクがある」と注意を促しており、ウォレットの認証情報と秘密鍵の管理はクリエイター自身の責任としている。
税務面では、メタ標準の支払い記録に加え、ストライプからも暗号資産固有の税務報告書が発行される場合がある。メタは両方の記録を確定申告用に保管するよう推奨している。
リブラ撤退から4年──今回は既存ステーブルコインを活用する戦略に
メタがステーブルコイン領域に関与するのは、2019年に発表し2022年に撤退した「Libra(リブラ)」(後に「Diem(ディエム)」に改名)以来、約4年ぶりとなる。リブラは各国規制当局からの強い反発を受けて頓挫したが、今回は自社トークンを発行せず、サークルが発行する既存のUSDCを活用する実用的なアプローチを採用した。メタ広報は「最も適切な決済手段を提供するために、ステーブルコインが選択肢の一つとなり得るかを探っている」とコメントしている。
ストライプは2025年にステーブルコインインフラ企業ブリッジを買収しており、今回のメタとの提携はその延長線上にある。ストライプのリンク担当責任者ジェイ・シャー氏は「企業はリンクを通じてステーブルコインの支払いを顧客に直接送金できるようになった。メタとすでにパートナーシップを結び、フィリピンやコロンビアのクリエイターがリンクウォレットでステーブルコインを受け取れるようにしている」と述べている。
年末までに160カ国以上への拡大を示唆
現在のパイロット対象はコロンビアとフィリピンの一部クリエイターに限定されているが、すでに拡大の見通しが示されている。ポリゴン・ラボのCEOマーク・ボワロン氏は「メタのステーブルコイン支払いプログラムは年末までに160カ国以上に拡大する見通しだ」とフォーチュン誌に語った。ソラナ財団のプロダクト責任者キャサリン・グー氏も「ソラナはインターネット規模の決済のデフォルトプラットフォームとなった」とコメントしている。
メタのプラットフォームは全世界で30億人以上のユーザーを抱えている。パイロットが本格展開に移行すれば、個人クリエイター向けのステーブルコイン配信インフラとして業界最大級の規模となる。
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