米資産運用大手のヴァンエックは24日、ビットコイン市場に関する最新レポートを公表した。同社は資金調達率のマイナス転換とハッシュレートの低下という2つのシグナルが同時に点灯していると指摘し、過去にも同様の局面で高いリターンが観測されてきたことから、ビットコインに対して強気の見通しを示している。
資金調達率-1.8%に低下、ビットコインは過去30日平均+11.5%のリターンへ
レポートではまず、米国とイランの緊張緩和を背景に市場のボラティリティが落ち着きつつある点に触れている。ビットコイン
BTCの実現ボラティリティは一時約56%まで跳ね上がったものの、足元では約41%まで低下。7日平均ベースの資金調達率もマイナスに転じ、-1.8%と2023年以来の低水準に沈んでいる。
資金調達率がマイナスに振れる局面は、デリバティブ市場でショートポジションが優勢であることを意味する。一見すると弱気のサインに映るが、レポートでは過去のデータを引き合いに出し、こうした局面の後にむしろリターンが高まる傾向があると分析している。
同レポートによれば、2020年以降のデータでは資金調達率がマイナスの期間におけるビットコインの30日リターンは平均+11.5%で、プラスになる確率は77%。全体平均の+4.5%を大きく上回る水準だ。さらに、年率-5%を下回るような極端な局面に絞ると、30日で+19.4%、180日では+70%とリターンはさらに跳ね上がるという。
ハッシュレートは16パーセンタイル、過去の低下局面の大半で90日後に価格上昇
一方、ビットコインのハッシュレートは直近30日で16パーセンタイルまで落ち込み、2021年に中国がマイニングを規制して以降、最も低下が集中した局面になったと指摘。過去の同様のケースでは、7回中6回で90日後にビットコイン価格が上昇しており、上昇幅の中央値は+37.7%に達するとしている。
また、ハッシュレートの低下とあわせてマイニング難易度も下落しており、その下げ幅はハッシュレートを上回ると指摘。採算悪化に伴い一部のマイナーが退出したことが背景にあるとみられる。一方で、難易度調整はネットワークの安定化要因として機能し、残存マイナーの収益改善を通じて、ハッシュレートの回復を後押しする可能性があるとしている。
なお、オンチェーンデータでは、取引数自体は増加しているものの、アクティブアドレスや新規アドレスはむしろ減少傾向にあるという。過去180日以内に動いた供給の割合が28.4%まで下がっていることを強調し、長期保有の進行を裏付けるデータとして紹介している。
一方で、レポートでは5年以上の超長期保有層の資金移動が12ヶ月平均を大きく上回っている点にも言及。ただし、こうした動きがすべて売却を意味するわけではなく、量子耐性アドレスへの移行やウォレット整理なども含まれると注釈を加えている。
ヴァンエックはこうしたデータを踏まえ、市場に過度な弱気ポジションが積み上がっている点と、そこからのリターン回復パターンに注目している。足元の市場環境が今後の値動きにどうつながるか、引き続き目が離せない展開だ。
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