米上院は4月30日、上院議員およびスタッフが予測市場で取引を行うことを禁止する決議(S. Res. 708)を全会一致で可決した。上院の常任規則(ルール37)を改正するもので、即時発効する。決議にはさらに、下院・行政府・司法府にも同様の制限を設けるよう促す内容が盛り込まれている。
米軍兵士のインサイダー事件が直接の引き金に
決議を提出したのは共和党のバーニー・モレノ上院議員(オハイオ州)で、民主党のアレックス・パディーヤ上院議員(カリフォルニア州)の修正案により禁止対象がスタッフにも拡大された。民主党のチャック・シューマー上院院内総務は「当然の判断だ」と評し、「議会をカジノに変えてはならない。戦争や経済危機、選挙に議員が賭けることは、代議制政治の根本原則を破壊する」と述べた。
決議の直接の引き金となったのは、4月23日に起訴された米陸軍特殊部隊兵士ギャノン・ケン・バンダイク被告の事件だ。同被告はベネズエラのマドゥロ大統領捕獲作戦に関する機密情報を利用してポリマーケット上で約40万ドルの利益を得たとして起訴された。また、4月22日にはカルシが自社プラットフォーム上で3名の議会候補者をインサイダー取引で停止・罰金処分にしたことも明らかになっている。
カルシ・ポリマーケット双方が歓迎──業界の信頼性向上に寄与
予測市場大手はいずれも今回の決議を歓迎している。カルシのCEOタレク・マンスール氏は「上院がこの決議を可決したことを称賛する。カルシはすでに議員の取引をブロックし、インサイダー取引を取り締まっている。これが業界標準になることで市場への信頼が高まる」と投稿した。
ポリマーケットも公式Xで「完全に支持する。当社の規約やルールブックではすでにこうした行為を禁止しているが、法律として明文化されることは業界にとって前進だ」とコメントしている。
今回の決議は上院の内部規則の改正であり、連邦法ではない。そのため、下院議員や行政府の職員には現時点で適用されない。共和党のトッド・ヤング上院議員と民主党のエリッサ・スロトキン上院議員は、すべての連邦選出議員および政府職員がインサイダー情報を利用した予測市場取引を行うことを禁止する法案を別途提出している。
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