SBIホールディングスは12日、機関投資家向けブロックチェーン基盤「Canton Network(カントン・ネットワーク)」を開発する米Digital Asset Holdings(デジタル・アセット・ホールディングス)の資金調達ラウンドに、子会社を通じて追加出資したと発表した。2022年の初回出資に続く2回目で、出資額は非開示としている。
創設パートナー兼スーパーバリデーターとして関与を深める
SBIは今回の出資を、金融の「オンチェーン化」に向けた取り組みの一環と位置づける。RWA(国債や証券などの現物資産をデジタル上で証券化する領域)と、デジタルアセット取引インフラ分野への展開を進める狙いがある。
SBIはこれまで、カントン・ネットワークの創設パートナーであり、かつ取引を承認・管理する中核的な役割を担う「スーパーバリデーター」として、機関投資家の参加促進に取り組んできた。オンチェーン化はSBIが中長期で掲げる三大戦略の一つに位置づけられており、同社はカントン・ネットワークをオンチェーン金融取引の推進に有望と見て、国内外での事業拡大を支援してきた。今回の追加出資で、その取り組みをさらに加速させるとしている。
出資先のデジタル・アセットは、カントン・ネットワークの基盤となるプログラミング言語「Daml(ダムル)」の開発元であり、同ネットワークの創設者として機関投資家のエコシステム参加を主導してきた企業だ。
700機関・6兆ドルが参加、国債トークン化の基盤に
カントン・ネットワークには現在、ゴールドマン・サックス、BNPパリバ、ブロードリッジ、フランクリン・テンプルトン、ユーロクリアなど700を超える機関が参加している。ブロックチェーン上で管理される資産規模は6兆ドル(約960兆円)を超える。
伝統的資産のデジタル化を象徴する動きも相次ぐ。2025年12月には、年間数兆ドル規模の国債決済を担う米DTCC(証券保管振替機関)が、カントン・ネットワーク上での米国債トークン化を発表した。続く2026年4月には、日本でも日本国債を対象としたデジタル担保管理の高度化に関する実証実験を開始すると発表されている。デジタル・アセットは、これらいずれのプロジェクトでも技術開発の中核を担うという。
DTCCによる米国債のデジタル証券化での採用などを背景に、2026年下半期にはさらに広範な展開が見込まれている。SBIは今後、機関投資家向け取引インフラの高度化を進め、国内外の金融事業で培った知見を生かしてデジタルアセット市場と金融市場インフラの発展に貢献する方針を示している。
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※金額は執筆時点でのレート換算(1ドル=160円)



