暗号資産(仮想通貨)運用会社グレースケールのリサーチ責任者ザック・パンドル氏は6日、ビットコイン(BTC)財務企業ストラテジーの資金調達構造について見解を示した。同氏は、米ドル準備を維持する新枠組みとビットコイン売却が、市場信頼の回復につながる可能性があると分析している。
米ドル準備の減少が不透明感を招く
パンドル氏は、ストラテジーの財務基盤そのものに表面的な問題はないと説明。同社は約520億ドル(約8.4兆円)相当のビットコイン
BTCを保有しており、債務は約70億ドル(約1.1兆円)にとどまるという。年間配当義務も20億ドル(約3,242億円)未満で、債務や配当を支払うための資産は十分にあるとの見方だ。
一方で同氏は、市場環境の変化を受け、同社の資金調達方針には不透明感が生じていたと指摘。5月下旬には米ドル現金準備が約8億7,000万ドル(約1,410億円)まで減少し、優先株配当を約6カ月分しかカバーできない水準となっていたためだ。
パンドル氏は米ドル準備の低下により、同社が現金をどう確保するのかに投資家の関心が集まっていたとみている。新株発行やビットコイン売却の可能性に加え、優先株主への対応も不安材料になっていたという。
ストラテジーの新枠組みで配当カバーは17カ月分に回復
ストラテジーは6月下旬、優先株配当に必要な米ドル準備を維持する新たな枠組みを発表し、同社は必要に応じて株式発行やビットコイン売却を行う方針を明確にした。パンドル氏は、この対応が市場の未解決の懸念に答えるものだったと評価している。
この方針に沿う形で、ストラテジーは7月6日、優先株配当と米ドル準備の補充を目的に、前週に3,588BTCを約2億1,600万ドル(約350億円)で売却したと発表。売却後の7月5日時点の保有残高は84万3,775BTCだとした。
ビットコイン売却を受け、同社の米ドル準備は25億5,000万ドル(約4,134億円)まで回復。パンドル氏によると、これは優先株配当の約17カ月分に相当するという。同氏は、こうした準備金の積み増しが優先株への安心感につながり、STRCの価格反発にも表れているとの見方を示した。
ビットコイン売却への警戒は残るものの、パンドル氏は今回の対応を資金調達構造への信頼回復につながる動きと捉えている。同社が米ドル準備をどの水準で維持するのか、追加売却がどの程度行われるのかが今後の焦点になりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.1円)



