国際送金大手のMoneyGram(マネーグラム)は2日、独自の米ドル建てステーブルコイン「MGUSD」を発行したと発表した。同社のグローバル決済網で展開する金融サービス群の基盤と位置づけ、ブロックチェーン上に決済インフラを築く取り組みの一環となる。提供はまず米国市場で始め、世界展開を計画する。
発行を支える3社の分業
MGUSDは、複数の提携によって成り立つ。規制対象の発行体はストライプ傘下のブリッジが務め、米国の決済ステーブルコイン規制であるGENIUS法に対応するという。トークンの発行・償還にはM0のスマートコントラクト基盤を用い、ローンチ時点ではステラ
XLMブロックチェーン上に展開される。発行されたMGUSDはいったんファイアブロックスのウォレットで保有され、そこからアプリ内の各顧客ウォレットへ送られる。
利用者から見れば、MGUSDはマネーグラムのアプリに組み込まれたセルフカストディ型ウォレットの残高として現れる。発行・オーケストレーション・決済を裏側で再設計し、表面的にはドル残高の保有と送金という体験だけが残る、という建て付けだ。
狙いは「暗号資産に詳しくない人」
同社はMGUSDを、暗号資産ネイティブではなく、日々国境を越えて送金する家族や、現地の金融サービスに十分アクセスできない人々のために作ったと説明する。インフレや通貨不安に直面する市場で、ドル建て残高を24時間保有でき、必要なときに現地通貨へ交換できる点を前面に出す。
会長兼CEOのアンソニー・スーフー氏は「ステーブルコイン市場はこれまで資産そのものに注目してきたが、当社は根本的に異なるアプローチを取る」と述べた。資産単体ではなく、自社の流通基盤を起点に据える姿勢を強調した格好だ。マネーグラムは6,000万人超のアクティブ顧客と世界約50万カ所の小売拠点を持ち、取引の70%超がすでにデジタルに移っている。現金窓口からモバイルまでをつなぐこの既存網が、MGUSDの土台となる。
今回の発行は、ステラ開発財団との5年来の提携を発行・残高インフラの領域へ広げるものでもある。同財団のデネル・ディクソンCEOは、5年間の協業がステーブルコインの実証段階を脱した証左だとし、MGUSDを次の節目と位置づけた。
関連:Visa、ステーブルコイン決済企業「BVNK」に出資──グローバル送金基盤を強化へ



