暗号資産取引所「bitbank(ビットバンク)」を運営するビットバンクと、丸井グループのフィンテック事業会社であるエポスカードは27日、業務提携を通じて「EPOS CRYPTOカード for bitbank」の発行を開始したと発表した。暗号資産取引所の資産からクレジットカードの利用代金を引き落とせるサービスは国内初となる。
引き落とし先に「暗号資産取引所」を選択可能に
同カードの最大の特徴は、月々のカード利用料金の引き落とし先として、従来の金融機関に加えてビットバンクの口座を毎月選択できる点だ。ビットバンクを引き落とし先に設定した場合、ユーザーが保有するビットコインが所定の販売所レートで自動的に売却され、その代金がカードの支払いに充てられる。現時点で引き落としに対応する暗号資産はビットコインのみだが、今後は対象銘柄の拡大も検討するとしている。申し込みにはビットバンクの口座開設と本人確認の完了が必須条件となる。
還元率はカード利用額の0.5%で、還元先としてビットコイン
BTCのほか、イーサリアム
ETH、アスター
ASTRの3銘柄から毎月選択できる。引き落としに使えるのはBTCのみだが、還元では複数銘柄から選べる点が特徴で、暗号資産還元において銘柄をユーザーが選択できるサービスも国内初だ。年会費は永年無料、国際ブランドはVisaを採用している。
利用にあたっての注意点──販売所レートのスプレッドに留意
利用にあたってはいくつかの注意点がある。まず、引き落とし時のBTC売却には「販売所レート」が適用される。販売所レートには取引所レート(板取引)と比べてスプレッド(売買差額)が上乗せされるため、自ら取引所で売却して円で支払う場合と比較すると、実質的なコストが高くなる。利便性と引き換えにスプレッド分のコストが発生する点は認識しておく必要がある。
また、暗号資産の価格変動によって引き落とし時の円換算額が想定と異なる場合があり、残高不足で引き落としが完了しないリスクもある。さらに、暗号資産の売却は課税対象となるケースがあり、利用額に応じた確定申告が必要になる場合もある点は押さえておきたい。
金商法改正を追い風に、暗号資産の日常利用を促進
カード発行の背景には、暗号資産を取り巻く規制環境の変化がある。政府は4月10日、暗号資産を金融商品取引法の対象に加える改正案を閣議決定しており、投資対象としての需要がさらに高まる見通しだ。ビットバンクとしては、投資だけでなく決済手段としても暗号資産を使える点を訴求し、新規顧客の開拓につなげたい考えがある。
丸井グループのクレジットカード「エポスカード」の会員数は約800万人にのぼる。アニメや漫画とのコラボカードや寄付型カードなど、多様な切り口で利用者を拡大してきた実績があり、暗号資産対応カードもこの延長線上に位置づけられる。エポスカードの会員基盤を通じて暗号資産への入口が広がれば、国内の暗号資産ユーザー層の拡大に寄与する可能性がある。




