暗号資産(仮想通貨)インフルエンサーのDeFi Warhol氏は21日、分散型レンディングプロトコルAaveにおいて、全てのコア市場の利用率が同時に100%に達したと指摘した。同氏はこの状態が実質的な「機能停止」に近い状況だと説明している。
利用率上限による出金制限、預金者への影響が懸念
DeFi Warhol氏によると、Aaveでは出金に必要な流動性が枯渇し、ユーザーが資産を引き出せない状態が発生。本来リスク管理の中核を担う清算機能も正常に作動せず、担保不足のポジションを処理できない状況に陥っているという。
特に深刻なのは、30億ドル(約4,777億円)のUSDTと20億ドル(約3,185億円)のUSDC、合計50億ドル(約7,962億円)相当の資産が事実上ロックされている点だ。市場価格が変動した場合、不良債務が積み上がる可能性があるにもかかわらず、それを吸収する仕組みが機能しないという構造的リスクが浮き彫りになっている。
この背景についてDeFi Warhol氏は、「急激な資金流出」を要因として挙げている。過去24時間で60億ドル(約9,555億円)以上がAaveから引き出されたことで残存流動性が急速に減少し、結果として利用率が上限に到達。これにより追加の出金が制限される構造になったと同氏は説明している。
Aaveをめぐっては18日、KelpDAOへの攻撃に関連した事案が確認されている。攻撃者は取得した資産の換金・流動化の過程でAaveを利用した。発生した損失の分配方法次第では、不良債権が最大366億円にまで膨らむ可能性がリスク管理サービスプロバイダーLlamaRiskによって示されている。
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この事案がリスク回避の動きを加速させ、結果として大規模な資金流出につながった可能性がある。
DeFi Warhol氏の投稿に対しては、今回の事象がDeFiの前提を揺るがす可能性を示すものだとの見方が出ている。通常、レンディングプロトコルは「必要なときに出金できる」ことを前提に設計されているが、こうした極端な状況ではその前提が機能しなくなる可能性があるとの指摘だ。
一方で、流動性が回復すれば状況は正常化するとの見方もある。ただし、この状態が長引いた場合、「出金できない」という状況そのものが不安を拡大させ、さらなる資金流出を招く悪循環に陥るリスクについても指摘されている。
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関連銘柄:
AAVE
USDT
USDC
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.3円)




