米暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンを運営するペイワード社は17日、米規制準拠の暗号資産デリバティブ取引所「ビットノミナル」を買収することで合意したと発表した。買収額は最大5億5,000万ドル(約869億円)に達し、米国市場での法規制に沿ったサービス展開を本格化させる。
取引から清算までを自社で完結、外部システムに依存しないシステムを実現
ビットノミナルは設立から10年以上をかけて、CFTC(米国商品先物取引委員会)が要求する取引所・清算機関・ブローカーの3ライセンスをすべて取得した、米国初の暗号資産関連企業だ。米国初の無期限先物やCFTC規制下での暗号資産証拠金担保など、業界の「初」を複数打ち立ててきた。
ペイワードのアルジュン・セティ共同CEOは「市場の構造は清算インフラによって決まる。米国には暗号資産向けに構築された清算インフラが存在しなかった。ビットノミナルはそれを10年かけて構築した」と述べた。
今回の買収により、ペイワードはクラーケンの既存ユーザー基盤とビットノミナルの規制インフラを組み合わせ、米国の顧客向けに現物証拠金取引・無期限先物・オプション取引をCFTC規制下で提供する計画だ。
B2B展開とグローバル戦略の加速
今後は法人向けプラットフォーム「ペイワード・サービス」を通じた展開も進める。銀行や決済事業者などの提携先は、単一のAPIを組み込むだけで、米国規制に準拠したデリバティブ商品を自社のユーザーへ直接提供できるようになる。
同プラットフォームはすでに暗号資産取引・トークン化株式・ステーキング・オンオフランプなど幅広い金融インフラ機能を提供しており、今回これに米国規制に準拠したデリバティブが加わる形だ。
将来的には暗号資産決済型商品やトークン化資産など次世代デリバティブの開発も視野に入れており、ビットノミナルの既存チームと体制を拡充しながら進める方針だ。
買収は2026年上半期中のクロージングを予定しており、CFTCへの所要の届出が行われる。なお、今回の取引ではペイワードの企業評価額が200億ドルとされた。
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