テレグラム発祥のブロックチェーン「The Open Network(TON)」は9日、ネイティブトークンの名称を「Toncoin(TON)
TON」から「Gram(GRAM)」へ改名する提案が、コミュニティ投票で可決されたと公式Xで発表した。賛成は81.22%。6月15日12時(UTC)に正式に発効する。
投票は6月1日から8日までの1週間、DAOガバナンス基盤「TON Vote」上でオンチェーン実施された。投票力は5月31日時点のTON保有残高に基づいて加重され、提案者はテレグラムだった。結果はオンチェーンで集計・公開され、誰でも検証できる。
変わるのは名前だけ──「移行」を促すものは詐欺
今回の変更で改められるのは、トークンの表示名、ティッカー(TON→GRAM)、ロゴの3点のみだ。ブロックチェーン自体の名称は「TON / The Open Network」のまま変わらない。
利用者にとって重要なのは、何も行動する必要がないという点である。スワップ、ブリッジ、クレーム、移行といった手続きは一切存在しない。保有残高は10 TONがそのまま10 GRAMとなり、額面の変更(リデノミ)はない。
入出金アドレス、スマートコントラクト、NFT、ステーキング、DeFiのポジションも、すべてそのまま維持される。
TONはこの点を繰り返し強調している。「TONをGRAMに移行せよ」「GRAMをクレームせよ」「TONをGRAMに変換せよ」などと指示するウェブサイトやボット、メッセージは、すべて詐欺だという。改名のような節目はフィッシングの好機となりやすく、利用者への注意喚起を求めている。
取引所やウォレットは、6月15日12時(UTC)までに名称・ティッカー・取引ペア・ロゴなどを一斉に更新する。利用者の混乱を避けるため、更新後の3カ月間は「Gram(旧Toncoin)」のように旧名を併記し、その後「Gram」のみに切り替えることが推奨される。6月22日までに全プロジェクトで表記が統一される見込みだ。
背景にあるテレグラムの主導権拡大
改名は「MTONGA(Make TON Great Again)」と名付けられた構想の一環だ。背景には、テレグラムがTONの開発で主導的な役割を担うようになった構造変化がある。テレグラムは現在、ネットワーク最大のバリデーターとなっており、これが技術ロードマップを加速させたとされる。
TONによれば、近年の性能向上で取引処理能力は10倍に、確定時間は1秒未満に高まり、手数料は約6分の1に下がったという。テレグラム創業者のパベル・ドゥロフ氏は、テレグラムがTON財団に代わってネットワークの推進力となり、技術的な優位性に注力していく方針を示している。
「Gram」という名は、実は新しいものではない。当初のTONホワイトペーパーで、ネイティブトークンはGramと名付けられており、その名称はTONの中核コードに当初から残されてきた。今回の改名は、この原点の名を公に呼び戻し、ネットワークが新たな章に入ることを示すものだと位置づけられている。
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