タイ証券取引委員会(SEC)は9月2日、暗号資産(仮想通貨)を含むデジタル資産の移転にトラベルルールを適用する規制を発出したと発表した。根拠となるのは8月25日付のSEC事務局告示「Sor Thor. 9/2026」で、施行は2027年2月27日となる。
デジタル資産事業者に課されるのは4点。移転と受領に関するリスク管理の方針と業務手続きの整備、顧客と取引相手の情報収集および相手方のデューデリジェンス、送金人と受取人の情報を移転指図とともに受け手側の事業者へ送信すること、取引に付随する情報を最低5年間保持することである。
相手方のVASP(デジタル資産サービス提供者)や移転経路の仲介事業者について適格性の確認を求めるほか、自己管理ウォレットとの間で送受信する際は、当該ウォレットの所有権または支配権を検証しなければならない。
今回の規制は暫定的な位置づけである。疑わしい金融取引の監視強化に向けた金融データ連携の小委員会が、AMLO(マネーロンダリング防止対策事務局)がマネーロンダリング防止法に基づく規制を準備する間、SECとAMLOが事業者向けの暫定規制を出すと決議した。
トラベルルールはFATF(金融活動作業部会)が各国に導入を求めてきた枠組みで、日本では2023年6月1日から犯罪収益移転防止法に基づき暗号資産交換業者に義務づけられている。
ポーンアノン・ブッサラットラグーンSEC事務局長は、事業者がマネーロンダリングやテロ資金供与に利用されるリスクを減らし、FATFの国際基準に沿って対策を強化するものだと説明。タイのデジタル資産エコシステムへの信頼を高めることにもつながると述べた。
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