東証スタンダード上場の株式会社SDSホールディングス(1711)は20日、同日開催の取締役会において、暗号資産(仮想通貨)トレジャリー企業のエスクリプトエナジー株式会社(5721、旧エス・サイエンス)との間で業務提携契約を締結したと発表した。提携領域は暗号資産分野とAIデータセンター関連分野の2つだ。
資本提携は伴わず、具体的な投資実行も未決定
今回の業務提携は、両社が有する知見と情報ネットワークを相互活用し、新たな事業機会の創出と将来的な事業化の可能性を検討することを目的とする。
ただし、SDSは今回の提携について「資本提携を伴うものではなく、現時点において具体的な事業化、投資の実行または暗号資産の取得等を決定するものではない」と明記。今後の検討・協議の進捗状況を踏まえ、必要に応じて個別に判断するとしている。
SDSは同日、第三者割当による第10回新株予約権(行使価額修正選択権付)の発行も開示した。調達資金の一部は、AIデータセンター事業資金および暗号資産取得を含む投資事業資金に充当される予定となっている。
BTC・ETHの段階的取得を検討、ステーブルコイン運用ノウハウを補完
SDSはAIデータセンター事業としてモジュール型(コンテナ型)データセンターの開発・構築・運用を推進する方針だ。暗号資産については、為替変動リスクへの対応等を目的として、ビットコイン
BTCおよびイーサリアム
ETHの段階的取得と保有を検討している。
エスクリプトエナジーからは、取得方針や分散取得などの取得方法、カストディ・秘密鍵管理を含む保有体制、会計処理および開示対応、内部管理体制の整備などについて助言を受ける。
注目すべきは、提携の主目的が「AIデータセンター事業における資金決済プロセス対応」である点だ。SDSは開示で、当該事業では「ステーブルコインによる収益受領および日本円への換金に際し、暗号資産を経由することが実務上前提となる」と説明している。
取引所選定、流動性確保、管理体制整備に専門性が求められるため、SDSはこれらの機能を外部委託せず、事業運営と一体で管理・運用する方針を示した。
エスクリプトエナジーは中期で1,000BTC取得目標、現在296 BTC保有
提携先のエスクリプトエナジーは1946年設立の東証スタンダード上場企業で、2026年4月1日付で旧エス・サイエンスから商号変更した。元「青汁王子」こと三崎優太氏がクリプトアセット事業開発担当室長としてBTC戦略を主導し、中期目標として1,000BTCの取得を掲げている。
JinaCoinの「国内上場企業BTC保有ランキング」によると、4月20日時点のエスクリプトエナジーのBTC保有量は296.24 BTC、BTC評価額は35.4億円、時価総額は176.9億円、MNAV(NAV倍率)は5.07倍で、国内6位にランクインしている。エスクリプトエナジー個別ページでは平均取得単価が約1,687.8万円、未実現損益は約-15億円(-29.2%)と表示されている。

なお、国内上場企業全体のビットコイン総保有量は46,314.56 BTC(約5,455.7億円)で、全BTC供給量の0.2314%を占める。首位はメタプラネット(3350)で40,177 BTCを保有しており、エスクリプトエナジーはネクソン、ANAPホールディングス、リミックスポイント、コンヴァノに次ぐポジションだ。

SDSは今後の見通しについて、今回の業務提携による業績への影響は「現時点で軽微」と見込むとした。具体的な成果や数値的影響が見込まれる場合には速やかに開示するとしている。
SDSの2026年3月期業績予想(2月13日公表分)は連結売上高5,035百万円、営業利益120百万円、経常利益10百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は△78百万円となっている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.07円、JinaCoin BTC保有ランキング表示値)




