日本円ステーブルコイン「JPYC
JPYC」が、韓国最大手の暗号資産(仮想通貨)取引所Upbit(アップビット)のウォン建て市場で、1円相当を下回って推移している。上場直後は供給不足から1円を大きく上回ったが、その後は需給が反転し、19日には一時8.41ウォンまで下落。18日のレートで換算すると1JPYCは約0.95円で、1万JPYCが約9,518円相当となった計算だ。
上場時の高騰から一転、今度は1円割れ
JPYCは9月17日18時5分(日本時間、以下同じ)にアップビットで取引が始まった。上場時点で入金に対応していたのはイーサリアムのネットワークだけで、取引所内の供給が買いに追いつかなかった。
韓国メディアの報道によると、価格は同日19時23分に37.6ウォンの高値を付けた。17日のレート(100円=888.36ウォン)で換算すると、1円の約4.2倍にあたる。
転機はその直後だった。アップビットは同じ19時23分からカイアとポリゴンのネットワークでも入金を受け付け始め、外部にあったJPYCが流れ込んだことで価格は急落した。同日中には新規発行も膨らみ、JPYCの累計発行額は17日の1日で25億4,300万JPYC増えている。
ところが、プレミアムが消えた後も下落は1円で止まらなかった。18日のレート(100円=約883.6ウォン)で1円は約8.84ウォンにあたるが、価格は18日19時ごろにこの水準を割り込み、8.7〜8.8ウォン台で推移した。
週末の19日9時すぎには、一時8.41ウォンまで急落した。為替市場が休場のため18日のレートで換算すると、1JPYCは約0.95円となる。
その後も1円を下回る水準が続いており、22日11時前には8.54ウォンで取引された。

1円での償還は韓国の利用者に届きにくい
1JPYC=1円は、発行・償還時の価格である。JPYC株式会社の発行・償還サービス「JPYC EX」では1円で発行と償還ができるが、アップビットのような取引所では需給で価格が決まる。
通常は、この差が裁定取引(アービトラージ)で埋まる。取引所で0.95円相当なら、安く買ってJPYC EXで1円に償還すれば差額が利益になり、買いが入ることで価格は1円に近づく。
ただ、JPYC EXの本人確認にはマイナンバーカードのICチップを使う公的個人認証が採用されている。アップビットの利用者の中心である韓国の投資家は、この償還ルートを直接使いにくい。
上場直後のプレミアムは、JPYC EXを経由しなくても、外部にあるJPYCを入金して売れば解消に向かった。一方、1円を下回った局面で1円に戻す償還の経路は、韓国の利用者には開かれていない。こうした非対称が、1円割れが続く背景にある可能性がある。
韓国のデイリアンは、上場初期の価格の乖離が速やかに解消しなかった要因として、流通量の制限、償還・移動経路の制約、国内のマーケットメーカーの不在を挙げていた。
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