X(旧ツイッター)を運営するX Internet Unlimited CompanyとX Corp.は17日、ビットコイン関連の投稿で知られる複数のアカウントの運営者を相手取り、英イングランド・ウェールズ高等法院に訴えを起こした。被告はヴィヴェク・クマール・セン氏、ザミャン・シェルパ氏と、関連アカウントを運営していた氏名不詳者。
アカウント網を協調して動かしエンゲージメントを水増しし、クリエイター収益分配プログラムから20万7,384ポンド(約4,357万円)以上を不正に得たとXは主張している。XとxAIの法務責任者ジェームズ・バーナム氏が9月21日、X上で提訴を公表した。
6アカウントに計20万7,384ポンドを支払い
訴状(事件番号BL-2026-001161)によると、被告らは2023年8月から2026年2月にかけて、次の6アカウントで収益分配プログラムに参加した。Xはこれらを1つの協調したネットワークとして運営していたとしている。
| アカウント | 参加開始 | Xの支払額 | 受取口座の名義 |
|---|---|---|---|
| @Vivek4real_ | 2023年8月11日 | 7万4,332ポンド(約1,562万円) | セン氏 |
| @Bitcoin_Teddy | 2024年3月2日 | 約5万476ポンド(約1,060万円) | セン氏ほか |
| @saylordocs | 2024年12月12日 | 4万9,442ポンド(約1,039万円) | セン氏 |
| @TrendingBitcoin | 2025年6月10日 | 2万2,938ポンド(約482万円) | シェルパ氏 |
| @PolyBackTest | 2026年2月7日 | 6,705ポンド(約141万円) | シェルパ氏 |
| @Kalshibacktest | 2025年8月10日 | 3,491ポンド(約73万円) | シェルパ氏 |
支払額の合計は20万7,384ポンド(約4,357万円)で、うち約17万3,839ポンド(約3,652万円)がセン氏名義の口座に、約3万3,134ポンド(約696万円)がシェルパ氏名義の口座に支払われた。
収益分配プログラムは2023年7月に始まった。プレミアム加入、直近3か月で500万回以上のオーガニック表示、認証済みフォロワー500人以上などを条件に、投稿への反応に応じてXの収益を分配する仕組みだった。
同プログラムは2026年9月7日前後に、オリジナル・コンテンツ・リワード・プログラムへ置き換えられている。
同じ投稿を11秒差で公開
訴状は協調の例として、2025年10月10日に@TrendingBitcoinと@saylordocsが2分以内に同じ文言と画像を投稿したことを挙げる。「売らないならいいね」という趣旨の文言に価格チャートを添えたもので、同年11月3日にも4アカウントが同じ投稿を数分以内に出したとする。
2026年8月5日には@Vivek4real_と@TrendingBitcoinが、ほぼ同内容の投稿を11秒差で公開した。同月13日には3アカウントが、同じ第三者の投稿に31秒以内に返信している。
このほか@BTC_Vibes、@MrSuperBitcoin、@Laserlumpの3アカウントも、主要アカウントの投稿にいいねや返信、リポストを繰り返し、実在の利用者による反応があるように装ったとしている。Xは今後の調査と開示でさらにアカウントや事例を追加する可能性があるとした。
決済口座と端末で結び付け
訴状によると、収益の受け取りに使う決済サービス「ストライプ」のアカウントには、実際の運営者とは別の名義が登録されていた。ある口座は第三者の名義で登録されながら、入金先の銀行口座はセン氏名義だったという。
シェルパ氏名義の口座には、セン氏に結び付くメールアドレスが登録されていた。
プレミアムの支払いには、米国の住所を請求先とするデビットカードが使われていたとする。各アカウントは同じ端末やソフトウェア、端末識別子、クッキーでもつながっていたと訴状は主張している。
訴状はまた、セン氏が第三者に有償でエンゲージメント操作のサービスを提供し、フォロワーの多いアカウントの買い取りも持ち掛けていたとする。
2025年12月18日には、買い取り交渉の相手に対し、Xが認めていない行為で問題になりたくないとして、暗号化されたチャットに移るよう求めるメッセージを送っていたという。
資金の返還と損害賠償を求める
Xは詐欺、不法手段による共謀、契約違反、不当利得などを根拠に、支払った資金の返還、損害賠償、利息、訴訟費用を求めている。調査や分析、再発防止にかかる費用は現時点で未確定としつつ、7万5,000ポンド(約1,576万円)以上になる見込みだとした。
バーナム氏は提訴を公表した投稿で「Xでの不正行為は容認しない。プラットフォームと本物のクリエイターの収益を守るため、強力に行動する」と述べた。
Xは8月18日、協調した収益分配の不正とプラットフォーム操作を理由に被告らのアカウントを凍結している。
訴状の内容はいずれもX側の主張で、裁判所の判断は出ていない。被告側の反論も明らかになっていない。
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