日本円ステーブルコイン「JPYC
JPYC」を発行するJPYC株式会社は18日、発行・償還サービス「JPYC EX」の累計発行額が100億円を突破したと発表した。同社は個人から国内事業者、海外プロジェクトまで利用が広がった結果だと説明している。
1日で25億JPYCが発行された
この100億円がいつ積み上がったのかは、オンチェーンのデータから追える。
非公式のダッシュボード「JPYC info」によると、累計発行額は9月16日の確定値で80億852万JPYCだった。それが9月17日の確定値では105億5,151万JPYCに達している。
| 指標 | 9月16日 | 9月17日 | 増加 |
|---|---|---|---|
| 累計発行額 | 80億852万 | 105億5,151万 | +25億4,300万 |
| 累計償還額 | 61億3,538万 | 63億2,133万 | +1億8,595万 |
| 日次供給量 | 18億9,648万 | 42億5,766万 | 2.25倍 |
| 日次取引量 | 2億7,526万 | 310億7,240万 | 112.9倍 |
つまり100億円の大台は、9月17日の1日で25億4,300万JPYCが新規に発行されたことで超えた計算になる。同日の償還は1億8,595万JPYCで、差し引き23億5,705万JPYCの純増だった。
取引量の伸びはさらに大きい。日次の取引量は2億7,526万JPYCから310億7,240万JPYCへ、112.9倍に膨らんだ。発行の件数は前日の140件から5,103件へ、償還の件数は101件から508件へ増えている。
一方で、保有者の数はほとんど動いていない。
ホルダー数は9月16日の7万2,412人から、17日は7万2,841人。増加は429人、率にして0.59%にとどまる。チェーン別ではイーサリアムが445人増えた一方、ポリゴンは252人減っている。
同じ1日で、日次の供給量は2.25倍、取引量は113倍に増えている。そのなかで保有者の数は0.6%しか動いていない。新規の利用者が広がったというより、既存の一部のアドレスが大量に発行して動かした形が浮かぶ。
発行が増えたのは乖離した2チェーン
発行額をチェーン別に分解すると、増加の偏りがはっきりする。
| チェーン | 9月16日 | 9月17日 | 増加 | 増加に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| Polygon | 39億9,571万 | 54億1,965万 | +14億2,394万 | 56.0% |
| Ethereum | 9億6,914万 | 19億9,269万 | +10億2,354万 | 40.2% |
| Kaia | 27億2,764万 | 27億8,158万 | +5,394万 | 2.1% |
| Avalanche | 3億1,602万 | 3億5,760万 | +4,158万 | 1.6% |
ポリゴンとイーサリアムの2チェーンで、増加分の96.2%を占める。カイアは2.1%、アバランチは1.6%にとどまった。
この2チェーンは、9月17日にJPYCの価格が1円の想定水準から乖離したチェーンと一致する。JPYCは同日、韓国大手取引所Upbit(アップビット)への上場直後から急騰し、分散型取引所(DEX)では一時3倍を超える価格差が生じた。
18日0時すぎの時点でも、イーサリアムで1.72倍、ポリゴンで1.65倍の乖離が残っていた。
一方、アバランチは想定値とほぼ一致しており、乖離は生じていなかった。
JPYC株式会社は同日夜、イーサリアムとポリゴンの両ネットワークで発行予約を一時停止し、いずれも数時間で復旧している。停止の対象となった2チェーンも、乖離が確認されたチェーンと一致していた。同社は停止の原因を公表していない。
今回のリリースは、100億円突破の要因として利用環境とユースケースの拡大を挙げている。増加分の内訳は公表されていない。
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