暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所のBitMEX(ビットメックス)が、9月23日13時(日本時間、4時UTC)に取引所を閉鎖する。運営するHDR Global Trading(本社・セーシェル)が7月23日に発表していたもので、2014年の開始から11年あまりの歴史に幕を下ろす。閉鎖の理由は事業と暗号資産業界全体を対象にした戦略的な見直しだとしている。
未出金には年1%または月50ドルの手数料
閉鎖の時点で残っている建玉は、すべて強制的に決済される。新規の建玉は8月26日13時(日本時間)から停止しており、それ以降は縮小のみが可能だった。流動性の細った銘柄については、早期に清算する手続きを適用するとしている。
資産が残っていても、口座にはアクセスできる。閉鎖後もログインして残高と取引履歴を確認でき、出金の手続きも行える。
ただし費用が発生する。本人確認(KYC)を済ませた利用者が閉鎖の時点までに出金しなかった場合、年1%(毎月課金)または50ドル(約7,865円)相当のいずれか高い額が、全額を出金するまで毎月引き落とされる。この手数料は、出金しない状態が続くと今後引き上げられる可能性がある。
ステーキング中だったBMEXトークンは、すでにすべて解除され、保有者の口座で引き出せる状態になっている。
同社は、閉鎖に便乗した詐欺への注意も呼びかけていた。優先的な出金や手続きの迅速化を持ちかける連絡はすべて偽物で、そうしたサービスは存在しないとしている。出金にはすべて追加の審査を適用するため、ビットコインのように承認に時間がかかるチェーンでは処理が遅れる場合があるという。
100倍レバレッジの無期限先物を生んだ11年
ビットメックスは2014年、プロ向けの暗号資産デリバティブを誰でも使えるようにするという目標を掲げて始まった。
同社によると、構想は香港のバーでナプキンに書いた落書きから始まった。アーサー・ヘイズ、ベン・デロ、サミュエル・リードの3氏が、24時間365日動く市場がなぜ期日のある先物に縛られるのか、という問いに戻り続けたという。
そこから生まれたのが、無期限スワップ「XBTUSD」だ。2016年5月13日12時(UTC)に上場し、期日を持たず、最大100倍のレバレッジをうたった。当初は資金の受け払いを外部の貸出市場の金利に基づいて日次で行う設計だった。
この仕組みはその後ほぼすべての取引所に広がった。同社は、無期限契約が現在、暗号資産の取引高の75%超を占めると説明している。株式や商品、為替にも同じ形の契約が広がっているとした。
そのXBTUSDは、取引所の閉鎖を待たずに取引を終えた。同社は9月18日、前日に取引を終えたと明かし、暗号資産で最も長く続いた無期限スワップだったと振り返った。
一連の投稿の最後では、12年を通じて顧客資産の流出はゼロだったと総括している。暗号資産が経験したすべての強気と弱気の相場を経ての数字だとした。
閉鎖は経営難によるものではないとしており、資産が負債を上回っていることは準備金証明のページで示されているとした。
取引所の撤退が相次ぐ
7月以降、取引所の閉鎖の発表が続いている。BitMartは7月26日、BitMEXの3日後に撤退を表明し、8月26日に全取引を停止した。運営の正式な終了は2027年1月31日としている。
CoinExも9月15日に閉鎖を発表した。9月29日に現物取引を止め、出金の受付は12月22日までとなる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.3円)


