米金融大手ゴールドマン・サックスのアセットマネジメント部門は14日、ビットコインETFのオプション戦略を活用した新たなETF「Goldman Sachs Bitcoin Premium Income ETF」の予備的プロスペクタス(仮目論見書)を米証券取引委員会(SEC)に提出した。ゴールドマンがビットコイン関連のETFを自社で申請するのは初めてで、モルガン・スタンレーに続きウォール街の大手銀行による暗号資産ETF市場への参入が加速している。
ビットコインを直接保有しないETF──カバードコール戦略でインカム獲得
プロスペクタスによると、同ファンドは純資産の80%以上をビットコイン
BTCへのエクスポージャーを提供する投資に配分する。ただし、ファンド自体はビットコインを直接保有しない。代わりに、ビットコインの現物ETFの保有と、それらのオプション取引を組み合わせる戦略を採用する。
収益の源泉は「カバードコール(ダイナミック・オーバーライト)」戦略である。ファンドはビットコインETFのコールオプションを売却(ショートコール)し、オプション買い手から受け取るプレミアムをインカム収入として投資家に分配する。通常の市場環境では、売却するコールオプションの想定元本がビットコインエクスポージャーの40〜100%の範囲に収まるよう運用する。
この設計により、ビットコインの価格上昇局面では上値の一部を放棄する代わりに、下落局面でのプレミアム収入による損失緩和効果が期待できる。ビットコインのボラティリティを抑えつつ定期的なインカムを得たい投資家、いわゆる「低ボラ・高インカム」志向の層をターゲットとした商品だ。
1940年投資会社法に基づく申請──ケイマン子会社を活用
注目すべきは、本ファンドが1940年投資会社法(’40 Act)に基づいて申請されている点だ。同法ではコモディティの直接保有に規制上の制約があるため、ゴールドマンはケイマン諸島に「Goldman Sachs Bitcoin Premium Income Portfolio CFC」という完全子会社を設立し、この制約を回避する構造を採用した。
ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は自身のXで「衝撃的だ」と投稿。ブラックロックが’33 Act(証券法)で類似商品を持つ一方、ゴールドマンは’40 Actでの申請を選択したと分析した。同氏は、ゴールドマンが「ビットコインは欲しいがボラティリティは抑えたい」という顧客の需要に応える形での参入であり、この種の商品を「Boomer Candy(高齢富裕層向け商品)」と表現。「JPモルガンとゴールドマンは暗号資産市場を見送ると思っていた。予想外だった」とも述べた。
ティッカーシンボルや管理手数料は現時点で未定。プロスペクタスは予備的な段階であり、SEC の審査を経て内容が変更される可能性がある。




