暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏が2日、最新エッセイでドル流動性が大幅に拡大し、暗号資産の強気相場を後押しするとの見方を示した。同氏はその先行指標としてユーロ/円(EURJPY)に着目。現在の185付近から来年6月までに140以下へ下落すると予測している。
EURJPY「140以下」予測、背景に米通貨政策
ヘイズ氏は現在、法定通貨の流動性が増えるか減るかを判断する「マクロの北極星」としてEURJPYを重視している。背景にあるのが、スコット・ベッセント米財務長官の通貨政策に対する同氏の分析だ。
ヘイズ氏は、米国が製造業の競争力を高めるには、主要な貿易相手国の通貨がドルに対して上昇する必要があるとみている。そのうえで、ベッセント氏は市場参加者に「ユーロを売り、円を買う」方向を示していると指摘した。
ただし、巨大な米国債市場や外国為替市場を米政府だけで動かすのは難しく、民間投資家の追随が必要になるという。ヘイズ氏は、日本などアジアの投資家が欧州資産を売却して資金を本国へ戻す動きが広がれば、EURJPYの下落につながるとみている。
フランス金融不安でFRB資金供給拡大か
ヘイズ氏がEURJPYを重視する背景には、フランスの金融不安が米国の短期金融市場に波及するとの見立てがある。
同氏によれば、米財務省金融調査局(OFR)のマネー・マーケット・ファンド・モニターのデータでは、BNPパリバ、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラルのフランス大手3行がレポ融資の約20%を占めるという。
そのため、これらの銀行が経営悪化で融資を縮小すれば、米国債取引を支えるレポ市場で金利が急上昇する可能性があるとした。
こうした事態に対し、ヘイズ氏はFRBが準備金管理購入(RMP)を拡大し、フランスの銀行によるレポ融資の減少を補うと予測している。RMPは2025年12月に始まった買い入れで、FRBは現在、Tビル発行額の39%を購入しているという。
ヘイズ氏は、ベッセント氏が長期債の買い入れを増やした場合、FRBのバランスシート拡大ペースは月1,000億ドル(約15兆8,200億円)近くまで加速する可能性があるとしている。2025年12月以降の平均は月約220億ドルだ。
ヘイズ氏は、こうしたドル流動性の拡大が暗号資産市場の上昇を後押しするとみている。同氏は「暗号資産の強気相場を完全に再点火させるには、FRBによるマネープリンティングの加速が必要」と強調した。
アルトコイン3銘柄に強気、目標価格を示す
エッセイの終盤で、ヘイズ氏は自身が率いるメイルストロムの暗号資産ポートフォリオについても言及している。
同氏はビットコイン(
BTC)を引き続き中核に据える一方、2026年末までの短期的な投機対象として、イーサリアム(
ETH)、エセナ(
ENA)、イーサファイ(
ETHFI)のアルトコイン3銘柄を挙げた。
目標価格はそれぞれ、ETHが1万ドル、ENAが0.5ドル、ETHFIが2ドルとしている。ヘイズ氏は、今回示したドル流動性拡大のシナリオを背景に、これらの暗号資産に対して強気な姿勢を示している状況だ。
今回の強気予測は、為替や金融市場がヘイズ氏の想定通りに動くことを前提としている。エッセイの末尾で同氏は、EURJPYをフランスの銀行が破綻に向かい、FRBが米国債市場の機能維持のために資金供給へ動くことを知らせる「早期の火災報知器」にせよ、と読者に呼びかけた。
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