この記事では、dYdX開発陣が手がける新たな分散型取引所(DEX)「Arcus(アーカス)」の特徴や使い方を解説します。株式トークンやパーペチュアル取引などの基本情報から、実際の取引方法まで図解付きで詳しく紹介します。
分散型取引所Arcus(アーカス)とは?特徴を解説

| サービス名 | Arcus(アーカス) |
| サービス開始 | 2026年7月 |
| 提供サービス | 株式トークンの現物取引・パーペチュアル取引(アーリーアクセス段階)・Vaults |
| 対応ネットワーク | ロビンフッド・チェーン |
| 対応市場数 | 95市場以上 |
| スポット取引手数料 | 0% |
| パーペチュアル取引手数料 | メイカー:〜0%、テイカー:〜0.0225% |
| 入金手数料 | 無料(ガス代負担を除く) |
| 出金手数料 | 無料(ガス代負担を除く) |
| 日本語対応 | 対応あり |
| 対応デバイス | PC・スマホ(ブラウザ・) iOS予約受付中・Android開発中 |
| 公式サイト | https://arcus.xyz/ |
| 公式X | https://x.com/arcus_xyz |
| 公式Discord | https://discord.gg/arcus |
| 紹介コード | https://app.arcus.xyz/ref/001133 |
Arcus(アーカス)は、「dYdX」を構築したチームが手がけるセルフカストディ型のDEXです。2026年7月にサービスを開始し、主に株式トークンの現物取引やパーペチュアル取引を提供しています。
サービス開始後は取扱銘柄を拡大しており、株式トークンをはじめとした対象市場を24時間365日取引できます。パーペチュアル取引については、現在アーリーアクセスで段階的なサービス開放を進めている状況です。
株式トークンとは?
株式などの値動きに連動するよう設計されたオンチェーン資産。Arcusで扱う株式トークンは原資産への経済的なエクスポージャーを提供しますが、実際の株式を直接保有するわけではありません。
また、Web版だけでなくモバイル展開も進めており、iOS版「Arcus Mobile」が予約受付中です。Android版も開発段階にあるため、今後さらに利用環境が広がる見込みとなっています。
以下では、Arcusが持つ特徴について詳しく解説します。
dYdXチームがロビンフッド・チェーン上に構築
Arcusを手がけるのは、分散型デリバティブ取引所「dYdX」を構築したチームです。2026年6月に新たなプロジェクトとしてArcusを発表し、株式トークンやパーペチュアルを扱うDEXとして展開しています。
大きな特徴となるのが、ロビンフッドが開発するレイヤー2ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン」上に構築されている点です。
ロビンフッド・チェーンとは?
ロビンフッドが開発する独自ブロックチェーン。Arbitrum Orbitをベースに、株式などの金融資産をオンチェーンで扱えるよう設計されている点が特徴です。
Arcusは同チェーンを基盤に、株式トークンやパーペチュアルをオンチェーンで取引できる環境を提供。仮想通貨だけでなく、株式をはじめとしたRWA(現実資産)も取引対象としています。
また、Arcusの戦略的投資家としてロビンフッドクリプトも参画。ArcusはdYdX開発陣のノウハウとロビンフッド・チェーンを組み合わせ、仮想通貨だけでなく株式なども扱える取引環境を提供しています。
24時間取引に対応したリスク管理を導入
Arcusでは、株式パーペチュアルの24時間取引に備え、時間外専用のリスク管理を導入しています。
具体的には以下のとおりです。
Arcusの対応策
- 時間外の新規ポジションで、必要な初期証拠金を通常より50%引き上げる
- 基準価格から大きく離れた注文を制限し、極端な価格での取引を防ぐ
- 時間外はファンディングレートを固定し、一定の基準レートをもとに設定する
- マーク価格を直近の価格にならして算出し、急激な価格変動の影響を抑える
株式市場が閉まる時間帯は価格変動リスクが高まるため、Arcusでは時間外専用のルールを設定。証拠金や取引価格を調整し、24時間取引に伴うリスクを抑えています。
なお、時間外になってもすでに保有しているポジションの維持証拠金は引き上げられません。新規ポジションとは異なり、通常時と同じ条件が適用される仕組みです。
株式トークンの現物取引手数料が0%
Arcusでは、株式トークンの現物取引手数料が0%に設定されています。売買のたびに取引手数料が発生しないため、コストを抑えて取引できる点がメリットです。
一方、パーペチュアル取引では、過去30日間の取引量に応じて以下のように手数料が変わります。
| 30日間の取引量 | メイカー手数料 | テイカー手数料 |
|---|---|---|
| 0ドル〜 | 0% | 0.0225% |
| 500万ドル〜 | 0% | 0.0190% |
| 2,000万ドル〜 | 0% | 0.0160% |
| 1億ドル〜 | 0% | 0.0135% |
| 4億ドル〜 | 0% | 0.0115% |
| 10億ドル〜 | -0.0020% | 0.0100% |
| 30億ドル〜 | -0.0030% | 0.0095% |
取引量が多くなるにつれてテイカー手数料は段階的に安くなる仕組みです。さらに、30日間の取引量が10億ドルを超えるとメイカー手数料がマイナスとなり、対象となる取引でリベートを受け取れます。
Perps戦略をトークン化する「pTokens」
Arcusは、パーペチュアル取引の運用戦略そのものをトークン化した「pTokens」の提供も特徴です。
執筆時点ではビットコインなどを対象に、複数の戦略が用意されています。
提供中のpToken例
- pHOOD3x:ロビンフッドトークン化株式の3倍ロング
- pBTC:ビットコインの1倍ロング
- pBTC3x:ビットコインの3倍ロング
- sBTC:ビットコインの1倍ショート
- sBTC3x:ビットコインの3倍ショート
pBTC3xであれば、ビットコインの3倍ロングを維持するようにポジションを自動調整します。手動でレバレッジ調整し続ける必要性を排除しながら、3倍ロングの運用を続けられる仕組みです。
なお、pTokensはロビンフッド・チェーン上のERC-20トークンとして発行されます。ウォレット間の送受信にも対応しており、オンチェーンで扱える資産として設計されている点もポイントです。
将来的な独自トークンの発行示唆|エアドロップの可能性
Arcusは、将来的な独自トークンの発行を示唆しています。
dYdX公式ブログでは「将来のArcusトークン」について触れられており、発行された場合はその一部をdYdXコミュニティ向けに確保する方針が示されました。
ArcusはdYdXを構築したチームによる新たなプロジェクトのため、独自トークンについても既存のdYdXコミュニティとのつながりを意識した形になる可能性があります。
ただし、現状ではトークン名やティッカー、発行時期などは発表されておらず、エアドロップの実施が行われるかも不透明です。今後の公式情報を待つようにしましょう。
Arcusの使い方
ここでは、Arcusの基本的な使い方をスマホブラウザを用いて画像付きで解説します。使う前の事前準備を確認したうえで、ウォレットの連携から進めてみてください。
使う前の事前準備
Arcusを利用する前に、まずは取引の元手資金を準備しましょう。
Arcusでは複数の仮想通貨での入金が可能です。ここでは、国内取引所とウォレットを使って資金を準備する方法を紹介します。
元手資金の準備手順
Arcus上ではUSDGが基軸通貨として設定されています。ですが、入金した資産がUSDGへ自動変換される仕組みのため、あらかじめUSDGを用意する必要はありません。
ウォレットの連携
事前準備完了後、Arcus公式サイトへアクセスしてください。以下リンクからArcusに登録すれば、5%の取引手数料割引を受けられます。
その後、「Connect Wallet」をタップし、「Continue with a wallet」をタップ。

事前準備したウォレットを選択して、ウォレット側で接続承認を済ませます。その後、「Sign with your wallet」をタップして、再度ウォレット側で承認を完了させてください。

次に「Enable Trading」をタップし、利用規約にチェックを入れて「Enable」をタップ。

最後に、紹介コード「001133」が反映されていることを確認して「Redeem」。その後、「Start Trading」をタップすればウォレット連携完了です。

仮想通貨の入金
ウォレット連携後、仮想通貨の入金を進めます。
まずは、画面右上のメニューアイコンをタップ。表示画面の「Deposit」をタップします。

その後、入金方法で接続ウォレットを選択。入金通貨を選択して、「Continue」をタップしてください。

次に入金額を任意で設定し、「Continue」をタップ。入金確認画面で「Confirm Order」をタップすれば完了です。少し時間を置くと、USDGに変換されたうえで入金が反映されます。

仮想通貨の出金
仮想通貨を出金する際は、メニューアイコンから「Withdraw」をタップしてください。

出金方法画面から、「Crypto address」をタップ。その後、出金先アドレス・出金額・受取通貨・受取ネットワークの設定を進めて「Withdraw」をタップしてください。

出金申請が完了するので、時間をおいて出金先での着金を確認してください。
スポット取引
スポット取引では株式トークンの他、コモディティや特定のミームコイン取引が可能です。
まずは、メニューアイコンから「Spot」をタップ。または、画面下中央の取引アイコンをタップでも取引画面を開けます。開いたら、画面上部の銘柄をタップしてください。

取引対応銘柄が一覧表示されるので、「Stocks」や「Commodities」などのタブを選び、任意の銘柄を選択してください。ここでは、NVDAを選択して取引する例を紹介します。
その後、注文画面が開きます。取引数量を設定後、「Swap into NVDA」をタップ。ウォレット側で取引承認を済ませればスワップ完了です。

スワップ完了後の資産内訳や取引履歴などは、注文画面下のタブからチェックできます。Balancesの「add」「Close」をタップすればすぐに注文画面での購入・売却が可能です。
また、画面左下のアイコンをタップすれば、選択した銘柄のチャート画面が表示されます。注文後のポジション情報も視覚化されるのでこちらも併せて確認しておくのがおすすめです。

パーペチュアル取引(WL登録)
パーペチュアル取引は執筆時点でアーリーアクセス状態となっており、ウェイトリスト登録を行ったユーザーから順に機能が解放されている状況です。
一般公開については今年後半とのことなので、ウェイトリスト登録から進めましょう。
まずは、メニューアイコンから「Perpetuals」をタップし、「Join Waitlist」をタップします。

その後、登録画面から「Connect your X」をタップ。Xアカウントにログイン後、「アプリにアクセスを許可」をタップしてXアカウントとの連携を済ませてください。

次に、画面上の「Follow」をタップ。ArcusXアカウントが開くのでフォローを進めます。最後に、「Connect any Wallet」をタップして、任意のウォレットを連携させれば登録完了です。

パーペチュアル取引へのアクセスは段階的に解放されるため、Arcus公式からの案内を定期的に確認しておきましょう。
Vaults(自動運用戦略)
Arcusの「Vaults」では、pTokensを活用した運用戦略を選んで資産を運用できます。ビットコインでは1倍・3倍のロングやショートなどが用意されており、自分でポジションを調整する必要はありません。
Tips
Vaultsは現在ベータ版として提供されています。正式版ではないため、今後仕様や機能が変更される可能性がある点に注意してください。
Vaultsを利用する際は、メニューアイコンから「Vaults」をタップ。画面上に運用中のVaultsが表示されるので任意のものを選んでください。ここではpBTC3xを選んで進めます。

pTokenをタップすると、詳細画面が開きます。TVL(預かり総資産)やこれまでのリターンなどの情報を確認できるので、あらかじめチェックしておくのがおすすめです。
画面を下にスクロールすると、pTokenへの交換画面が表示されます。USDGで数量を設定後、「Swap into pBTC3x」をタップ。ウォレットで取引承認を済ませれば完了です。

ポジション情報は、交換画面下で確認できます。仮にpTokenからUSDGに戻したい場合は、From・Toを入れ替える形でスワップを進めてください。

紹介コードの取得
Arcusには紹介プログラムがあり、自分専用の紹介コードを発行できます。紹介したユーザーが取引すると、その取引手数料の一部を継続的に受け取れる仕組みです。
紹介報酬は3段階に分かれており、通常時は以下の割合が設定されています。
紹介報酬の内訳
- 直接紹介したユーザー:取引手数料の10%
- 紹介者経由のユーザー:取引手数料の3%
- さらにその先のユーザー:取引手数料の2%
また、30日間のパーペチュアル取引量が10億ドルに達するとVIPとなり、直接紹介の報酬率が10%から15%へアップ。通常より高い還元率で紹介報酬を受け取れるようになります。
紹介コードの取得には、取引量達成などの条件は設けられていません。メニューアイコンの「Rewards」から任意の文字列を設定すればコードを取得できます。

現在はパーペチュアル取引がアーリーアクセス段階のため、紹介報酬を得られる機会は限られます。一般公開後にユーザー増加が期待できるため、早めに紹介コードの取得・共有しておくとよいでしょう。

