資産運用会社のVanEck(ヴァンエック)は18日、ビットコイン
BTCのオンチェーン分析レポート「Bitcoin ChainCheck」の8月中旬版を公開した。1年超保有されていたビットコインが直近30日間で約35万6,000 BTC減り、長期保有比率が数か月ぶりに60%を割り込んだとしている。
長期保有比率が59.1%へ、数か月ぶりの60%割れ
レポートによると、1年を超えて動いていなかったビットコインは8月11日までの30日間で約35万6,000 BTC(2.9%)減少し、1,184万BTCとなった。過去1年の月次変化がほぼゼロで推移していたことを踏まえると、数か月ぶりの本格的な取り崩しにあたる。
減少は長期保有の6つの年齢帯すべてで起きたが、比較的新しい層に偏っている。1〜2年帯が約15万6,000 BTC(6.2%)、2〜3年帯が約7万6,000 BTC(6.9%)、3〜5年帯が約6万2,000 BTC(3.2%)それぞれ減った。
一方、10年超の最古参層は約4,000 BTC(0.1%)の減少にとどまる。移動した1年超のビットコイン約333万BTCのうち、約44%が1〜2年帯で、7年超は約12%にすぎない。
この結果、1年以上動いていないビットコインは流通供給の59.1%となった。同比率は2月時点の59.2%から7月に60.9%まで月0.4ポイント程度のペースで上昇していたが、反転して60%の節目を下回った。
ただし押し上げ要因も残る。6〜12か月帯には供給の約16.6%に当たる約333万BTCが滞留しており、これらが使われずに1年の閾値を超えれば長期保有比率は再び上昇する。ヴァンエックは、若いビットコインがほぼ同量だけ1年の線を越えて入れ替わっているため、長期保有の基盤は崩壊ではなく循環に近いとみている。
ヴァンエックは対抗仮説にも触れている。2026年7〜8月に発生したColdcardのハッキングで1,800 BTC超が流出し、乱数生成の脆弱性が露呈したことから、長期保有者が売却ではなく安全確保のために資金を移した可能性だ。
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もっとも同社は、1,800 BTCの確認済み被害と約35万6,000 BTCの移動では規模が釣り合わず、行動的な伝播という説明は反証が難しいと自ら留保を付けている。検証方法として、取引所への流入を伴わない移動であれば予防的な移管、取引所で観測されれば分配だとし、来月に年齢帯別の内訳を報告するとした。
キャピチュレーション12指標中8が点灯
キャピチュレーション指標とは、オンチェーンや市場のデータが履歴上の極値に達し、売り手が出尽くしつつあることを示唆する指標を指す。代表例としてMVRV Zスコア、NUPL(含み損益)、ピュエル倍率、利益状態にある供給の比率などが挙げられる。
同社が追跡する指標は、12のうち8が点灯している。過去3か月間には12指標すべてが一度はキャピチュレーション圏に入った。点灯の基準は、最新値が履歴の下位15パーセンタイル以下(または上位90パーセンタイル以上)に位置することだ。
例外は価格ドローダウンで、パーセンタイルではなくマイナス35%以下という絶対基準を用いている。ヴァンエックは、実際の水準であるマイナス49.0%は自身の履歴では35パーセンタイルにすぎず、パーセンタイル基準なら点灯は8ではなく7になると明記した。
絶対基準を採る理由として、過去の底値であるマイナス94%、85%、84%、78%は、現物ETPの買い需要がなく、レバレッジ貸付業者が毎回破綻した市場でつけられた点を挙げる。今サイクルにはセルシウスも3ACもFTXもなく、より浅い底を想定しているという。
過去のフォワードリターンについては慎重だ。8〜12指標が点灯した局面の90日平均リターンは12.8%、180日は32.0%で、いずれもベースラインの15.2%、36.3%を下回る。上回るのは1年のみだが、115観測日は重複が多く、分布ではなく少数の局面に依拠しているとして、重視しない姿勢を示した。
サイクル面では、ピークから最大下落までの弱気局面が過去4サイクルで平均11か月。市場が未成熟だった2011年を除く直近3サイクルは平均12.7か月となる。2025年10月のピークから10か月目に入っており、次の蓄積局面の開始時期は9月から11月のレンジに収まる計算だ。
価格は63,549ドルで膠着、ETPは流入に転換
ビットコインは8月11日に63,549ドル(約1,014万円)で引け、前月比0.3%安とほぼ横ばいだった。値幅は62,265〜66,509ドルの狭いレンジにとどまり、30日実現ボラティリティは年率換算27.2%と前月の30.4%から低下。長期平均の約80%を大きく下回っている。
200日移動平均は約69,884ドルで、価格はこれを約9%下回る。前月の14%から乖離は縮小した。史上最高値からは約49%下の水準にある。ヴァンエックは、6月30日の約58,500ドルが底だった可能性があるとみている。
米国の現物ビットコインETPには30日間で約6億6,300万ドル(約1,058億円)が純流入した。1日当たり約2,200万ドル、現在価格で約1万400 BTCに相当する。前月は約4万10 BTC(約24億ドル)の流出だったため、資金フローは反転した形だ。
他方、現物取引は低調が続く。直近30日の出来高は前月比27%減で、履歴上の10パーセンタイルにとどまる。ヴァンエックは、2026年夏の出来高が2023年の弱気相場並みで、季節的な落ち込みは2024年や2025年より深いと指摘した。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.6円)




