暗号資産(仮想通貨)の市場構造を定める「クラリティ法案(H.R.3633)」について、予測市場ポリマーケットで年内成立を見込む確率が25%にとどまっている。8月7日には13%まで落ち込んでおり、直近はやや持ち直した水準にある。
2月の82%から8月に13%へ
この市場は、2026年12月31日23時59分(米東部時間)までに法案が上下両院を通過し、署名によって成立した場合に「はい」で決済される。判定はCongress.govの法案トラッカーを主要な情報源とする。
23日時点の価格は「はい」が25セント、「いいえ」が76セント。累計出来高は790万ドル(約12.6億円)に達しており、暗号資産の規制関連では厚みのある市場となっている。
推移を見ると、3月から5月にかけては50〜75%の水準で取引されていた。5月22日に上院銀行委員会が15対9で法案を可決した局面が高値圏にあたる。
そこから低下が続き、8月7日に13%の底を付けた。上院が8月6日、夏季休会前に採決を行わないと確認したことが直接の要因だ。その後は20%台まで戻している。
調査機関の見方も似た方向にある。ギャラクシー・デジタルのアレックス・ソーン調査責任者は8月15日、同社の年内成立予想を10%へ引き下げた。5月の委員会通過直後は75%としていた数字だ。
ソーン氏は、上院が9月14日に再開してから使える審議時間が2〜3週間しかない点を挙げ、クラリティ法案は政策よりも政治の問題になっていると述べた。
9月15日の手続き採決が最初の関門
法案は2025年7月に下院を通過し、2026年5月に上院銀行委員会を通過した。争点として残るのは、公職者の暗号資産保有をめぐる倫理規定、ステーブルコインへの利息付与の可否、DeFi(分散型金融)の開発者保護に関する規定などだ。
上院では9月15日午後2時15分(米東部時間)に、議事進行動議に対するクロチャー投票が可能になる。法案の可否を決めるものではなく本格審議に入るかを問う投票で、可決には60票が必要となる。
議会の停滞を受け、規制当局は独自に動いている。CFTCのセリグ委員長は20日、法案の停滞が続く場合に既存の権限で暗号資産市場の規制体制を構築する検討を職員に指示した。SECも18日、新規則「Regulation Crypto Assets」を提案している。
なお、予測市場の数値は参加者の売買から導かれるもので、確率の実測値ではない。出来高が薄い市場では価格が歪む場合もある。ポリマーケットは日本を含む一部地域からの取引を制限している。
関連:CFTC、クラリティ法案が停滞なら独自規制へ──取引所をDCMに指定する案
関連:米SEC「Regulation Crypto Assets」提案──2種類の募集免除とセーフハーバー
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.9円)




