デジタル資産分野の金融サービスを手がける米ギャラクシー・デジタルの調査部門ギャラクシー・リサーチは16日、2026年第2四半期の暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン領域におけるベンチャーキャピタル(VC)動向をまとめたレポートを公開した。投資額は前四半期比31%増と反発した一方、新規ファンドの組成は5本にとどまり、四半期としては2019年第4四半期以来の少なさとなった。
投資額31%増、伸びを支えたのは後期段階
第2四半期にVCが非上場の暗号資産・ブロックチェーン企業へ投じた資金は56億8,300万ドル(約8,869億円)で、案件数は384件。前四半期と比べて金額が31%、件数が10%それぞれ増えた。第1四半期の減速から反発した形になる。
金額の伸びが件数の伸びを上回っている点を、レポートは大型調達の寄与として説明する。実際、投資額の78%が後期段階の企業に向かい、より若い企業に回ったのは22%だった。
件数で見ると景色が変わる。プレシード段階が全体の21%を占め、後期段階は26%だった。同社はプレシードの比率を、起業家の行動と投資家のリスク選好を測る指標として追っている。
年初来では744件に100億1,800万ドル(約1兆5,635億円)。上半期を年率換算すると約200億3,700万ドル(約3兆1,272億円)となり、2025年通年の203億ドルをわずかに下回る一方、2023年から2024年にかけての低迷期は上回るペースにある。
金額は一極集中、件数は分散
カテゴリー別で最も資金を集めたのは、取引・取引所・投資・レンディングの分野だった。約35億2,300万ドル(約5,498億円)で、第2四半期の投資額のおよそ5分の3を占める。同分野に入った資金の9割超が後期段階の企業に向かっており、成熟度の高さがうかがえる。
2位はDeFi(分散型金融)の約4億7,800万ドル(約746億円)で、金額の差は7倍を超える。以下、プライバシー・セキュリティ、トークン化、AI、インフラ、Web3・NFT・DAO・メタバース・ゲーミング、決済・リワードと続いた。
ところが件数で並べ替えると、分布はかなり平らになる。
| カテゴリー | 案件数 |
|---|---|
| 取引・取引所・投資・レンディング | 51 |
| 決済・リワード | 40 |
| DeFi | 40 |
| Web3・NFT・DAO・メタバース・ゲーミング | 37 |
| トークン化 | 36 |
| エンタープライズブロックチェーン | 34 |
| インフラ | 32 |
首位の取引所系でも384件のうち約13%にすぎない。金額の集中と件数の分散が同時に起きている。
地域別では、米国に本社を置く企業が金額の73.5%、件数の39.1%を占めた。件数では英国が7.0%、シンガポールが5.7%で続く。
新規ファンドは5本、約7年ぶりの低水準
投資が戻る一方で、次の資金の受け皿は細っている。第2四半期に新規組成された暗号資産特化型のVCファンドは5本、調達額は約39億ドル(約6,087億円)にとどまった。四半期あたりの新規ファンド本数としては、2019年第4四半期以来の少なさである。
レポートは要因を3つ挙げる。マクロ環境と2022年から2023年にかけての市場混乱が、出資者の姿勢を慎重にさせていること。AIへの関心が高まり、かつて暗号資産投資に向けられていた注目を奪っていること。
そして3つ目が、現物ETFとデジタル資産トレジャリー(DAT)企業が、機関投資家の資金をめぐって競合していることである。
同社は、一部の大口投資家がアーリーステージのVCよりも流動性のあるビークルを選好している可能性を指摘し、この傾向が続けばDeFiのような領域への需要もVCではなくETPへ流れうるとの見方を示した。
もっとも金額だけを見れば話は違う。上半期を年率換算したファンド調達額は約100億ドル(約1兆5,607億円)となり、2025年の87億5,000万ドルを上回る。平均ファンド規模は約3億7,798万ドル、中央値は約8,000万ドルへ上昇した。本数は歴史的低水準にありながら、1本あたりは大型化している。
なお同社は、2017年や2021年の局面で見られたビットコイン価格とVC投資額の相関が、以前より弱まったままだとしている。ビットコインは2025年後半に最高値を更新したが、VC活動の動きはそれと揃っていなかった。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.07円)


