分散型取引所(DEX)を手がけるArcus(アーカス)は1日、株式トークンなどを扱う取引所「Arcus」を公開したと発表した。暗号資産デリバティブ取引所dYdXの開発チームが、米ロビンフッドの独自ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン」上に構築したものだ。
dYdX開発チームとロビンフッド・チェーンが連携
アーカスは、暗号資産の分散型デリバティブ取引所dYdXを手がけたチームによる新プロジェクトである。同社によると、既存のdYdXチェーンは引き続き稼働する。
基盤となるロビンフッド・チェーンは、米証券アプリ大手ロビンフッドがアービトラム上に構築した、現実資産(RWA)のトークン化に最適化したブロックチェーンだ。取引時間が限られていた株式などを、24時間取引できる市場の実現を目指している。
アーカスは、このチェーン上で株式トークンや暗号資産を、単一の自己管理型口座で取引できる環境を提供するとしている。
95銘柄を手数料ゼロで24時間取引、パーペチュアルは最大50倍
現物(スポット)のベータ版はすでに公開され、対象地域のユーザーは待機リストなしで利用できる。取り扱うのは95銘柄のストックトークン(株式トークン)で、株式トークンの取引手数料は無料だという。
銘柄は米国・海外株が中心で、テスラやエヌビディアなどが並ぶ。S&P500やナスダック100といった指数、金・銀・原油などのコモディティも取引の対象だ。
パーペチュアル(無期限先物)は段階的に開放する。7月1日から待機リスト登録者向けに始まり、株式・暗号資産・コモディティ・指数を対象に、最大50倍のレバレッジをかけられるという。一般公開は年内を予定している。
パーペチュアルの利用には、ウェイトリスト(待機リスト)への登録が始まっている。同社によると、登録は「waitlist.arcus.xyz」でウォレットとXアカウントを接続して行う。現物取引には登録は不要だ。
順位は2つの要素で決まるという。過去のオンチェーン取引履歴(dYdXやハイパーリキッドなどでのパーペチュアル取引高。RWAの取引高は加点対象)と、検証済みトレーダーの紹介だ。複数のウォレットを接続して履歴を合算することもできる。
株トークンを担保に、米英加などでは利用不可
今後は、保有する株式トークンをパーペチュアル取引の証拠金として使えるようにする計画だ。同社は「アップル株を買い、原油を売る」といった取引を一つの口座で完結できると説明する。
株式トークンは、裏付けとなる株式などに連動するトークン化証券だ。アーカスによると、ロビンフッド・クリプトが1対1で裏付け、現金での償還を請求できる仕組みだという。
一方で、アーカスは米国・英国・カナダなどでは利用できない。株式トークンには価格の乖離や償還制限、規制の不確実性などのリスクがあり、レバレッジをかけたパーペチュアルはとくに損失が拡大しやすい。
株式のオンチェーン取引をめぐっては、ロビンフッドが自らチェーンを整備するなど競争が続いている。その上で稼働する取引所として、アーカスが新たに加わった形だ。



