米ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は14日、州内の銀行機関および信用組合に対して暗号資産(仮想通貨)カストディサービスの提供を正式に認める法案(H.F. 3709)に署名した。同法は2026年8月1日に施行される。
サードパーティの活用も可能、監督責任は金融機関
今回成立した法律により、ミネソタ州の銀行や信用組合は、顧客に代わって仮想通貨や暗号秘密鍵を保管・管理するカストディサービスを提供できるようになる。これまで主に暗号資産専門の企業が担っていた領域に伝統的な金融機関が参入する道が開かれた形だ。
ただし、同法はカストディ(保管・管理)のみを認可する設計となっている。銀行や信用組合が預かった暗号資産を使って取引、投資、貸出を行うことは認められていない。あくまで顧客資産の安全な保管に特化した枠組みだ。
サービスの提供にあたってはいくつかの条件が設けられている。まず金融機関はサービス開始の少なくとも60日前までに、州のコミッショナーに対して書面で通知しなければならない。通知にはサービスの内容とリスク管理体制の記載が求められる。
加えて、リスク管理や内部統制、サイバーセキュリティ、事業継続、コンプライアンスに関する書面での方針・手続きを整備・維持する義務も課される。顧客から預かった暗号資産は、金融機関自身の資産と法的・運用上の両面で厳格に分別管理しなければならないと明記されている。
また、サードパーティのサービスプロバイダーやサブカストディアンの活用は認められているが、監督責任はあくまで銀行・信用組合側が負う仕組みとなっている。コミッショナーによる定期的な検査対象にもなるため、金融機関には高い管理水準が求められる。
暗号資産キオスク禁止法も成立、8月1日から禁止・12月31日までに撤去
一方、ミネソタ州では暗号資産キオスク(暗号資産ATM)に関する規制も進んでいる。ウォルツ知事は5日、州内での仮想通貨キオスクの設置・運営を全面的に禁止する法案(S.F. 3868)にも署名した。
同法は2段階で施行される。まず8月1日をもってキオスクの設置・運営・利用提供が禁止となる。その後、既存のキオスク運営者に対しては12月31日までに公衆がアクセス可能な場所からキオスクを撤去する義務が課される。
キオスク専業の事業者には、12月31日までに顧客資産を米ドルまたは顧客指定のウォレットへ払い戻す義務がある。顧客がウォレットへの払い出しを選択した場合、運営者は請求から30日以内に送金しなければならない。なお、キオスク以外に顧客が合法的に資産へアクセスできる手段を維持している運営者は、払い出し義務が免除される。
ミネソタ州は伝統的金融機関による暗号資産カストディを認可する一方、詐欺被害が相次いでいた無人端末を全面禁止するという、消費者保護を軸とした規制の枠組みを整えた。規制された金融チャネルを拡大しつつ、無規制の高リスクチャネルを排除する二面的なアプローチだ。
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