ステーブルコイン決済を手がけるSlash Vision(スラッシュ・ビジョン)と、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のデジタルバンク「みんなの銀行」は12日、ステーブルコイン決済ソリューションでの価値共創に向けた基本合意書(MoU)を締結したと発表した。
銀行機能をWeb3アプリに組み込む
提携の背景には、日本でステーブルコインが使いにくいという課題がある。海外ではドル建てステーブルコインの利用が広がる一方、日本では誰もが手軽に使える環境が十分に整っていない、と両社は指摘する。
そこで両社は、みんなの銀行が持つBaaS(Banking as a Service)基盤と銀行ライセンスを、スラッシュの決済アプリ「Slash App」に組み込む。まずは日本円の入出金など銀行機能を載せ、サービスの利便性を高める。みんなの銀行が培ってきた金融インフラと、スラッシュのブロックチェーン技術・UXを掛け合わせる狙いだ。
その先に見据えるのが、トークン化預金とステーブルコインの交換など、「日本円とUSDCのオンランプ/オフランプ機能」の搭載だ。法定通貨とステーブルコインを行き来する入り口・出口を整えることで、Web3のマスアダプション(広範な普及)を後押しする。
両社は、今回開発するソリューションをSlash Appだけにとどめず、同じニーズを持つほかの事業者へも広げることを目指す。今後は、具体的なユースケースの創出や課題の洗い出しを目的に、実証実験(PoC)のパートナー企業も募る予定だという。
なお、スラッシュのグループ企業であるVision Financial Servicesは、日本でステーブルコインを扱うために必要な「電子決済手段等取引業」の登録に向けた準備を進めている。
今回の合意は、現時点では基本合意(MoU)の段階であり、具体的なサービスはこれから開発される。ただ、銀行ライセンスを持つデジタルバンクと、暗号資産決済プロジェクトが手を組む動きは、伝統的な金融とWeb3が交わる潮流の一例として注目される。
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