オランダ船籍の探検クルーズ船MV Hondius号で発生したハンタウイルスの集団感染が世界的な注目を集めている。WHOのテドロス事務局長は7日の記者会見で、感染者8名(うち検査確認5名、疑い3名)と死亡3名を報告した。この報道を受け、暗号資産(仮想通貨)市場ではソラナ上のミームコイン「HANTA」が急騰する事態となっている。
クルーズ船で3名死亡、23カ国の乗客に接触追跡
WHOによると、感染はアンデス株と呼ばれるハンタウイルスによるもので、南米に生息するげっ歯類が主な宿主だ。同株はハンタウイルスの中で唯一、限定的なヒト間感染が確認されている種類にあたる。
最初の感染者とされるオランダ人夫妻は、乗船前にアルゼンチン・チリ・ウルグアイでバードウォッチングを行っており、ウイルス保有種のげっ歯類が生息する地域を訪問していた。夫は4月11日に船内で死亡し、妻は南アフリカへ搬送後に死亡が確認された。3人目の死亡者はドイツ人女性で5月2日に船内で亡くなっている。なお、3名の死亡のうちハンタウイルス感染が検査で確認されたのは1名で、残り2名については調査が続いている。
MV Hondius号には約150名の乗客・乗員が残っており、7日時点でカーボベルデを出港しスペイン・カナリア諸島テネリフェに向けて航行中だ。到着まで3〜4日を要する見込みだが、カナリア諸島のクラビホ地域首長が入港を拒否する姿勢を示し、スペイン中央政府との間で対立が生じている。乗客・乗員は23カ国籍にわたり、米国(5州で7名を監視中)、スイス、シンガポール、フランス、カナダなどで個別に接触追跡が進められている。
WHOのテドロス事務局長は「これはCOVIDのようなパンデミックの始まりではない」と強調し、公衆衛生上のリスクは低いとの評価を維持している。ただし、アンデス株の潜伏期間は最長6週間に及ぶため、今後追加の感染者が確認される可能性があるとも述べた。
ミームコイン$HANTAが500%超急騰、投機資金が集中

ハンタウイルス報道の拡大に伴い、約2年前にソラナブロックチェーン上でローンチされていたミームコイン「HANTA」に投機資金が殺到した。GMGNのデータによると、$HANTAは直近で1,000%超の上昇を記録し、時価総額は一時1,800万ドルを超えた。24時間取引量も3,000万ドルを上回っている。
ただし、高値の0.019ドル付近から急速に調整しており、記事執筆時点では0.011ドル付近で推移している。保有者数は約16,000アドレスにとどまり、流動性は極めて薄い。類似のハンタウイルス関連トークンもイーサリアムなど複数チェーンで確認されているが、大半は時価総額5万ドル未満で流動性がほぼ存在しない状態だ。
感染症や災害といった実害を伴うニュースに乗じたミームコイン投機は、過去にも繰り返されてきたパターンである。急騰後の暴落リスクやラグプルの可能性を含め、極めてハイリスクな投機対象であることに留意すべきだ。




