日本経済新聞は7日、大手銀行や証券会社が連携し、2026年内にも日本国債をブロックチェーン上でデジタル証券(セキュリティートークン)化して24時間365日取引できる仕組みを導入すると報じた。決済にはステーブルコインを活用し、機関投資家の資金効率を改善する狙いがある。
レポ市場から導入、即時決済で資金効率を改善
まず対象となるのは、国債を担保に金融機関が短期資金を貸し借りする「レポ市場」だ。同市場は2024年末時点で世界16兆ドル規模に達しており、日本は約1割を占める。利回りがつく国債は売買よりも保有したまま貸し借りする需要が大きく、機関投資家にとって中核的な市場となっている。
現在、日本の国債取引は取引成立の翌日に決済する「T+1」が標準だ。国債をデジタル証券化し、ブロックチェーン上で発行されるステーブルコインで決済することで「T+0」の即時取引が可能になる。即時取引により、資金の借り手は当日中に取引を解消できるためバランスシートへの計上が不要となり、日中の資金効率が向上する。貸し手側にとっても流動性が増す利点がある。
5月に取引システムの開発・導入に向けた組織が発足する。デジタル証券基盤のProgmat(プログマ、東京)が事務局を務め、3メガバンク(三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行)のほか、東京海上ホールディングス、大和証券、SBI証券が参加する。外資系からはブラックロック・ジャパンやステート・ストリート信託銀行も加わっており、業態を超えた体制となる。10月には税制を含めた法的論点をまとめた報告書が公表される予定だ。
金融機関が検討を急ぐ背景には海外の動向がある。米国では証券決済を担うDTCCが2025年12月に米国債のデジタル証券化推進を公表しており、すでに3,300億ドル規模の取引がブロックチェーン上で行われている。
日本のデジタル証券発行累計額は3,600億円に達したものの、大半は個人投資家向けの不動産デジタル証券だ。国債のデジタル証券市場は機関投資家を対象としており、実際に発行が始まれば市場規模は兆円単位に達するとみられている。自民党も3月に「次世代AI・オンチェーン金融構想プロジェクトチーム」を発足させるなど、政策面での後押しも進んでいる。
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