米暗号資産(仮想通貨)取引所大手コインベースは7日、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の「Amazon Bedrock AgentCore Payments」に自社の決済インフラが統合されたと発表した。これにより、開発者はAIエージェントが自律的にUSDCで少額決済を行うシステムを容易に構築できるようになる。
企業利用を見据えた管理機能付きAI決済インフラを提供
これまで、AIエージェントに自律的な支払いを行わせる構想はあったものの、企業はコンプライアンスや予算管理、監査証跡の壁に直面し、実用化が困難であった。
今回提供される機能では、企業がエージェントの支払いに対して厳格な管理を行うことが可能だ。開発者は「5分以内に1ドルまで」といった時間制限付きの予算枠を設定できる。
また、コインベースのインフラを通じて、制裁対象や不正資金リスクを管理するコンプライアンス機能が組み込まれている。取引の全容はログやダッシュボード上で可視化される。
エージェント自身は秘密鍵にアクセスすることなく、1回のAPI呼び出しでウォレット認証から取引の署名、支払いまでを安全に完結できる仕組みが整えられている。
USDCとx402プロトコルを活用、Stripeも決済接続先に
決済の基盤には、機械同士のネイティブな支払いを可能にするオープンプロトコル「x402」が採用されている。実際の決済はステーブルコインのUSDCを用い、ベースおよびソラナブロックチェーン上で高速に処理される。
1件あたりの手数料は1セント未満に抑えられ、アカウント登録や定期購読、決済画面の操作も不要だ。エージェントはデータ照会などの各種サービスに対し、人間の介入なしに実行時決済を行い、必要なタスクを自己完結できる。
AWSは同時に、決済大手Stripe(ストライプ)もAgentCore Paymentsの決済接続先としてプレビュー版で参画させている。開発者はコインベースウォレットとストライプウォレットのいずれかを選択でき、ステーブルコインまたはデビットカードによる法定通貨での入金にも対応する。暗号資産と法定通貨の両方をカバーすることで、企業の導入障壁を下げる狙いがある。
基盤となるx402プロトコルは、わずか1年間で1億6,900万件以上の決済を処理した実績を持つ。AWSとコインベースも参画するx402財団によって管理されており、オープンで実証済みのインフラとして機能している。大手クラウドプラットフォームがAIエージェント向けの暗号資産決済機能を本格的に組み込む初の事例となる。
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