日本円ステーブルコイン「JPYC」を発行・運営するJPYC株式会社は20日、シリーズBラウンドのセカンドクローズで28億円の追加資金調達を完了する予定だと発表した。1stクローズと合わせたシリーズB累計調達額は約46億円に達する見込みだ。
メタプラネット・北洋銀行・住友生命系ファンドが出資者に
セカンドクローズの引受先には、ビットコイントレジャリー企業のメタプラネットが戦略的投資家として参画した。同社のサイモン・ゲロヴィッチCEOは「ビットコインとデジタル法定通貨インフラの統合」に期待を寄せる。
北洋銀行も出資者に加わり、地方銀行がステーブルコイン発行企業に直接出資する事例として注目を集める。このほかテクミラホールディングス、キャナルベンチャーズ、住友生命系SUMISEI INNOVATION FUND、シード期から継続出資のi-nest capitalなどが参画した。
このほかNCBベンチャーキャピタル、テクミラホールディングス(追加出資)、キャナルベンチャーズ、住友生命系のSUMISEI INNOVATION FUND、i-nest capital(シード期から継続)、NTVP(追加出資)、横浜キャピタルなどが参画した。
発行5ヶ月で累計21億円突破、ウォレット数はアカウントの8倍に
JPYCは2025年8月に資金移動業登録を取得し、同年10月に発行を開始した。約5ヶ月で累計発行額は21億円(4月15日時点)を突破し、直近3ヶ月で約2.6倍のペースで拡大している。
特徴的なのはオンチェーンでの流通の広がりだ。直接アカウント開設数は1.7万件だが、JPYC保有経験のあるウォレットアドレスは13.7万に達し、アカウント数の約8倍に上る。JPYC社を介さないユーザー間でもトークンが流通していることを意味する。
日次の資産回転率は流通額の100%を超える水準で推移しており、「預金として眠る」のではなく、決済・送金・交換のために常に動き続ける実需型のデジタル通貨として定着しつつある。
調達資金はシステム開発・人材・AI決済基盤に投下
調達資金の使途は4分野に重点配分される。金融機関水準のセキュリティを備えたシステム基盤の構築とマルチチェーン展開の拡充、事業開発・法務コンプライアンス・AML/CFT人材の採用、BtoB送金やデジタル給与払いを見据えた法人向け基盤の拡充、そして新規ユースケース創出への戦略投資である。
中でも注目すべきは、AIエージェントが自律的に価値を送受信する「M2M(Machine to Machine)決済」のネイティブ通貨としてJPYCを位置付けている点だ。4月の「AI・人工知能EXPO」では円ステーブルコインによるAI決済の実演デモを公開済みで、次世代の決済インフラとしての布石を打つ。
パートナーシップ面では、ソニー銀行とのMOU締結、LINE NEXTのWeb3ウォレット「Unifi」への採用、免税リファンド新制度に向けた日本免税との共同開発など、大手との連携が相次ぐ。対応チェーンはアバランチ・イーサリアム・ポリゴンの3つで、カイア・アークの追加も検討中だ。




