暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は10日、AIエージェント向けブロックチェーン「FLOPネットワーク」の新たな技術草案(イエローペーパー)の公開を発表した。草案には、AIの処理結果を検証してから料金を支払う仕組みと、更新したトークン供給設計が盛り込まれている。
複数の手段でAI推論の正しさを検証
7日にはトークン設計の概要が示されていたものの、AIの処理結果をどのように検証するかは明らかになっていなかった。一方、今回公開されたバージョン0.5.0では、ひとつの方法に頼らず、複数の確認手段を重ねる仕組みが盛り込まれている。
具体的には、AIが処理に使ったモデルや出力の記録を残し、別の計算提供者が一部の処理を改めて実行する。結果が一致しなければ追加の検証へ進み、不正が認められた提供者にはペナルティを科す形だ。機密性の高い処理では外部から隔離された実行環境「TEE」も利用できるとしているが、必須条件とはしていない。
また、料金の支払いも検証結果と連動する。AIエージェントは、支払いが確定するまで料金を一時的に預ける「エスクロー」を使って処理を依頼。検証が通れば計算提供者へ支払われ、処理が提供されない場合や不正が認められた場合は、AIエージェントへ返金される設計だ。
エアドロップ枠を44億FLOPへ更新
ヘイズ氏が最高経営責任者を務めるFLOPラボは同日、コミュニティの意見を反映した最新のトークン設計を公表した。7日の草案では約24億8,000万FLOPだったジェネシス供給に対し、今回はエアドロップ枠を44億FLOP(全体の24.3%)としている。
44億FLOPのうち、計算を担うマイナー、取引の確定や検証を担うバリデーター、AIエージェントへそれぞれ12億FLOPを配布。残る8億FLOPは、エコシステム向けの準備金やインセンティブに充てる。VC向けの事前割当や先行販売については行わない方針を維持した。
一方、10年目時点の配分では、チームと財団に20億FLOP(10.8%)が割り当てられている。
なお、10年目までの累計供給量は181億FLOPとなる見通しで、このうちマイナー向け報酬は88億FLOP(48.6%)を占める。長期的には年間0.5%のペースで供給を増やしていく想定だ。
イエローペーパーとトークン設計は、いずれも公開レビューを経て変更される可能性がある。今後、AI推論の検証方法とFLOPの発行条件が実装に向けてどう固まるかが焦点となりそうだ。
関連:ヘイズ氏がFLOPの技術文書を公開──供給24.8億枚、報酬の75%はマイナーへ
関連:アーサー・ヘイズが復帰──AIエージェント向けFLOP、Q4にエアドロップ


