ブルームバーグは10日、ナスダックが暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンの運営元であるペイワードに1億ドル(約154億円)を出資すると報じた。事情に詳しい関係者の話として伝えたもので、この出資はペイワードを210億ドル(約3兆2,361億円)と評価する。同報道によると、ナスダックとペイワードの担当者はいずれもコメントを拒否しており、投資はまだ公表されていない。
トークン化株式をクラーケンで扱う
ブルームバーグによれば、出資はナスダックのベンチャー部門によるもので、3月に発表された両社の提携を拡張する位置づけだという。ナスダックは、株式をトークン化した形で取引するためのインフラ構築を進めている。
提携の一環として、クラーケンはナスダックのトークン化株式を自社プラットフォームで扱うようになる。利用者はナスダック上場株をトークン化された形で保有でき、ナスダックの取引所で取引される通常の株式と同じ議決権も得られるとされる。
ナスダックは今年、上場企業が自社株のトークン化された形態をより管理しやすくする設計を打ち出していた。規制市場とオンチェーン市場の間でトークン化株式を移動させるためのゲートウェイ構築で、すでにクラーケンと協業を始めている。
関係者の1人によると、ナスダックは来年の第2四半期に独自トークンを投入する計画だという。
米取引所が競う「株式のトークン化」
この動きは、米資本市場の担い手が金融システムの根幹に暗号資産インフラを組み込もうとする、より広い流れの一部にある。ニューヨーク証券取引所も、トークン化された株式やETFを24時間365日取引できる独自のブロックチェーン基盤を構築中だ。
トークン化は、現実資産をブロックチェーン上でデジタルに表現する手法を指す。
暗号資産市場のように24時間動く取引をウォール街でも実現する方策として、かねて注目されてきた。
制度面の整備も進んでいる。ナスダックは昨年9月、株式をトークン化して自社のような規制市場で取引できるようにするため、一部規則の変更を米証券取引委員会(SEC)に申請した。SECはトークン化に前向きなポール・アトキンス委員長のもと、3月にこれを承認している。
ただし、今回の出資自体は両社が公式に発表したものではない。ブルームバーグが匿名の関係者の話として報じた段階であり、正式な発表があるかどうかは現時点で不明だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.1円)


