予想を超えるタカ派的なFOMCにより、投資家がリスク資産のポジション整理を行った模様
資産運用会社「Coinshares(コインシェアーズ)」によると、先週(6月10~16日)は全世界の主要な暗号資産(仮想通貨)投資商品は6億米ドル(約950億円)の純資金流出となった。この規模の流出は3月22日以来最大だ。

欧州の仮想通貨運用会社コインシェアーズの週報によると、ブラックロックやフィデリティ、グレースケール、プロシェアース、21シェアーズなどの資産運用会社の仮想通貨投資商品(ETF含む)は、6億米ドル(約950億円)の純資金流出となった。
「先々週までは多額の資金流出が続いていたものの、その後予想以上にタカ派的なFOMC会合が続き、投資家は固定供給資産のポジションを縮小せざるを得なくなったようだ」とコインシェアーズのリサーチ部門責任者ジェームズ・バターフィル氏は述べた。
こうした資金流出と最近の価格下落により、運用資産総額(AuM)は1週間で1,000億ドル超から940億ドルに減少した。

出典:coinshares

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地域別では、米国からの流出額は総額5.6億ドル(約880億円)と最も多かったが、ネガティブなセンチメントは米国だけに集中しているわけではなく、カナダ、スイス、スウェーデンからもそれぞれ1,500万ドル(約230億円)、2,400万ドル(約380億円)、1,500万ドル(約230億円)の流出が見られた。ドイツは1,700万ドル(約270億円)の流入でこの傾向に逆行した。

出典:coinshares
銘柄別では、流出は完全にビットコインに集中しており、6.2億ドル(約977億円)の流出となったが、最近の弱気相場によりビットコインをショートする金融商品への180万ドル(約3億円)の流入も促された。
ビットコインが流出となった一方で幅広いアルトコインに流入が見られ、イーサリアム、LIDO、XRPがそれぞれ1,300万ドル(約2億円)、200万ドル(約3.1億円)、100万ドル(約1.5億円)の流入を記録した。
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