暗号資産マーケットメーカーのウィンターミュートは8日、最新のマーケットアップデートを公表し、ビットコイン(BTC)が6万2,000ドル(約992万円)を下回り、2024年9月以来の水準まで下落したと報告した。週間下落率は約14%に達している。
米雇用統計の大幅上振れが利下げ期待を後退させ、売り圧力に
ウィンターミュートは、今回の下落の背景として「良いニュースが悪いニュースになる」という逆説的な構図を指摘している。5月の米雇用統計が市場予想の8万人を大きく上回る17万2,000人となったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期の利下げ期待が後退。リスク資産であるビットコインへの売り圧力が強まった。
売りの主体については、米国の小売投資家が株式を買いながら暗号資産を売却しており、機関投資家も直近数日で弱気に転換したと分析している。「1ヶ月前にビットコインを7万〜8万3,000ドルに押し上げた米国勢が、今は売っている」と同社は指摘する。アジア・欧州のフローは比較的バランスが取れていたとしており、今回の下落は米国主導の動きとみられる。
技術面では、ビットコインは2024年の上昇局面で5万〜5万9,000ドルのレンジに長く留まらなかったため、このゾーンに意味ある技術的サポートが存在しないと同社は説明している。「以前のサポートが消えた。下に頼れるものがほとんどない」とし、5万ドルを割り込むリスクも排除できないと警告している。
また、米国スポットビットコインETFが5月30日時点で10セッション連続の資金流出(過去最長)を記録していることも、需給悪化の一因として挙げられている。次の注目点として、6月12日に予定されるスペースXの株式市場デビューが、AI・成長株への投資家需要を測る試金石になるとの見方も示している。
強い経済指標が利下げ観測を後退させ、暗号資産市場の下落圧力となる構図が続いている。今後も米国の金融政策動向と機関投資家のフローが、ビットコイン価格の方向性を左右する局面が続きそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160円)



