著名な投資家でビットコイン懐疑論者として知られるピーター・シフ氏は6月8日から9日にかけて、米ストラテジー(旧マイクロストラテジー、MSTR)による1,550 BTCの追加購入を、自身のXで相次いで批判した。
同社が直前に配当目的で32 BTCを売却した直後の買い増しを「ダメージコントロール(火消し)」と評し、資金調達の仕組みそのものに疑問を投げかけている。
「ビットコインを売れないことの証明だ」
シフ氏はまず、ストラテジーが1,550 BTC
BTCを1億100万ドルで購入し、同時に米ドル準備金を1億ドル積み増したことに触れた。そのうえで、もしMSTR株を割安な価格で売却して資金を得たのであれば、それは1株あたりのビットコイン保有量を希薄化させたことになると指摘した。
そして「これは、MSTRがビットコインを売れることの証明ではなく、売れないことの証明だ」と結んだ。買い増しは強さの表れではなく、むしろ売却に動けない同社の苦境を示すものだという見方である。
「マイナスのビットコイン利回り」を株主に強いていると主張
続く投稿で、シフ氏は同社の資金調達モデルの変質に踏み込んだ。元々のモデルは、普通株をプレミアム(割高)で売却し、ビットコインの期待上昇率を下回るクーポンで優先株を発行することで、プラスのビットコイン利回りを生み出していたと説明する。
しかし今は状況が変わったとシフ氏はみる。セイラー氏は、ビットコインを支えるためだけに、普通株主に「マイナスのビットコイン利回り」を受け入れさせている、というのが同氏の主張だ。かつて株主に利益をもたらした仕組みが、今では株主の負担に転じたという指摘である。
「資金調達マシンは壊れている」
9日の投稿で、シフ氏はさらに踏み込んだ。優先株STRCが額面を割り込み、MSTR株も資金調達が株主価値を高める水準(アクリーティブな閾値)を下回って取引されているとして、「ストラテジーの資金調達マシンは壊れている」と断じた。
シフ氏によれば、この状況でどちらかの証券を売ってビットコインを買うのは株主価値を破壊する行為だ。合理的な選択は、ビットコインを売って割安な自社株を買い戻すことだが、セイラー氏にはそれができない、と同氏は論じる。「売れない」という構造こそが問題の核心だという立場である。
もっとも、シフ氏は長年のビットコイン懐疑論者であり、金(ゴールド)を推奨してきた論客でもある。これらの批判は同氏の一貫した立場を反映したもので、額面割れやプレミアムの消失といった指摘の妥当性については、市場の評価が分かれる。
一方で、同社の優先株を軸とした資金調達には、調査会社デルファイ・デジタルなども構造的リスクを指摘しており、シフ氏の批判と論点が重なる部分もある。
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