イーサリアム(ETH)を財務資産として長期保有・運用する東証スタンダード上場のHODL1(ホドルワン、旧クシム、証券コード2345)は6月11日、博報堂のWeb3子会社である博報堂キースリーと、デジタル社債関連事業の推進に向けた業務提携基本合意書(MoU)を締結したと発表した。
HODL1はイーサリアムの長期保有を行う「HODL」事業と、ブロックチェーン技術の開発・社会実装を進める「BUIDL」事業を掲げる企業だ。今回の提携は、その技術力を生かしたオンチェーン金融への本格参入の一歩と位置づけられる。
拡大するセキュリティトークン市場が背景に
提携の背景には、セキュリティトークン(ST)市場の急速な拡大がある。STは、有価証券などの金融商品をブロックチェーン上で電子的に記録・管理する仕組みだ。発行体にとっては資金調達手段の多様化、投資家にとっては小口化や権利管理の効率化といった利点がある。
HODL1によると、国内の公募ST市場は2025年度の累計発行額が約3,333億円に達し、前年度から約2倍に拡大したという。海外でも、世界銀行はSTが2030年に年間約220億ドル規模に達するとの見通しを紹介しており、トークン化資産市場全体では数兆ドル規模へ広がるとの民間調査もあるとしている。
HODL1はその第一歩として、STのなかでもデジタル社債に注目する。今後は、IPなどのエンタメ産業や、蓄電池・太陽光などのインフラ産業を含む幅広い領域で、デジタル社債の発行ニーズを持つ企業などを対象とする。
こうした企業に対し、企画から案件組成、マーケティング、ステーブルコイン決済の導入支援までを一体的に提供することを目指すとしている。
博報堂キースリーのマーケティング知見と連携
提携先の博報堂キースリーは、2022年設立の博報堂グループのWeb3企業で、Astar Network創業者の渡辺創太氏らが関わる。Web3領域での事業プロデュースやマーケティング、企業向けのWeb3サービス開発支援に知見を持つ。
両社は、デジタル社債関連プロジェクトの企画・推進や、発行体・関係事業者との案件組成、ステーブルコイン決済の導入・開発支援、発行後のマーケティングやコミュニティ形成などで連携する。共同運営会議(ステアリング・コミッティ)を設け、対外発表やイベント登壇も共同で進める方針だ。
HODL1は2026年内をめどに第一号案件の組成着手を目指し、デジタル社債の発行支援やステーブルコイン決済の実装を通じた有償取引の創出を計画している。
ただし、今回のMoUは現時点で法的拘束力を持たず、具体的な案件はこれから組成される段階だ。個別案件の成約など業績に重要な影響が生じた場合は、改めて開示するとしている。
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