米経済誌フォーチュンは11日、ブロックチェーン業界で最も影響力のある企業を格付けした「Fortune Crypto 100」を初公表した。データ分析企業Inca Digitalの分析と、暗号資産の専門家への調査をもとに、10のカテゴリーで各10社を選んでいる。
フォーチュンは、このリストの登場が暗号資産の「スーツとネクタイの新時代」と重なると指摘する。伝統的な金融機関の名前が、暗号資産の先駆者や新興プロジェクトと並んで増えている点が特徴だ。
伝統金融の台頭が鮮明に
その象徴が「TradFi(伝統的金融)」部門だ。暗号資産サービスを提供する金融機関として、1位フランクリン・テンプルトン、2位JPモルガン・チェース、3位ナスダック、4位ゴールドマン・サックスが並び、モルガン・スタンレーやシティグループなど名だたる金融大手が顔をそろえた。
決済を含むフィンテック部門でも、1位ロビンフッド、2位ストライプに続き、ビザ、ペイパル、マスターカードといった大手が上位を占めた。暗号資産が、もはや一部の愛好家のものではなく、主流の金融に組み込まれつつある構図がうかがえる。
暗号資産ネイティブ企業を集めた「CeFi」部門では、1位コインベース、2位バイナンス、3位クラーケンの順。取引所大手が、伝統金融と並ぶ存在として位置づけられた。
DeFi首位はハイパーリキッド、日本勢も存在感
分散型金融(DeFi)部門では、デリバティブ取引所のハイパーリキッドが1位に立ち、アーベ、リド、ユニスワップが続いた。ステーブルコイン部門は1位テザー、2位サークルと、二大発行体が順当に並んでいる。
暗号資産を財務に積む上場企業とETF発行体を集めた「DATs & ETFs」部門では、1位ブラックロック、2位ストラテジー、3位グレースケールが上位を占めた。ここに、日本のビットコイン保有企業メタプラネットが9位でランクイン。日本企業として、世界の勢力図にその名を刻んだ。
このほか、ブロックチェーン本体を評価する部門では1位ビットコイン、2位イーサリアム、3位ソラナが並び、6位にXRP、10位にジーキャッシュが入った。ベンチャーキャピタル部門は1位アンドリーセン・ホロウィッツ、2位パラダイムの順となっている。
3年で「40社」から「100社」へ
フォーチュンがこのランキングを最初に出したのは2023年だ。当時は「FORTUNE CRYPTO 40」として、8カテゴリーで各5社、計40社を選んでいた。FTX破綻直後の混乱期で、業界が「史上最も困難な時期」と向き合うなかでのスタートだった。
3年を経て、リストは100社へと2.5倍に拡大した。カテゴリーの顔ぶれにも、この間の変化がはっきり表れている。
2023年版にあった「NFT」の独立カテゴリーは、2026年版で姿を消した。代わって、ステーブルコイン、暗号資産を財務に積む企業とETF、マイニングが、それぞれ独立した部門として新たに加わった。NFTブームが落ち着き、ステーブルコインや企業の財務戦略が業界の主役級へと移り変わった3年間が、そのまま映し出された格好だ。
伝統金融の存在感の変化も大きい。2023年のTradFi部門はペイパルやロビンフッドなど5社にとどまり、決済・フィンテック寄りだった。2026年版では同部門が10社に増え、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、シティグループ、BNYといった大手銀行が厚みを加えている。
10部門にわたる今回の格付けは、暗号資産業界が伝統金融を巻き込みながら成熟へ向かう現在地を映し出している。フォーチュンは同日、次世代の有望企業を選ぶ「Fortune Crypto Innovators 30」も併せて公表した。
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