デジタル資産運用企業コインシェアーズが4日に発表した週次資金フローレポートによると、先週(10月27日〜31日)の暗号資産(仮想通貨)投資商品は、合計3億6,000万ドル(約556億円)の純流出となった。
ビットコインは9.46億ドル流出、ソラナはETFに牽引され4.21億ドル流入
レポートによると、この資金流出は米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の発言が、市場に不確実性をもたらしたことが原因であると分析されている。
10月29日の利下げ発表後の会見で、パウエル議長は12月の追加利下げの可能性については「既定路線ではない」とコメントした。市場はこの発言をタカ派的(金融引き締め的)と解釈し、様子見姿勢を強めたとみられる。
このネガティブなセンチメントは米国市場に集中しており、同国だけで合計4億3,900万ドル(約677億円)の純流出を記録した。
資産別で見ると、ビットコイン関連商品は合計で9億4,600万ドル(約1,460億円)の純流出となった。コインシェアーズは、「ビットコインが金融政策の動向に最も敏感な暗号資産であるため」、パウエル議長のタカ派的な発言が重くのしかかったとみている。
その一方で、ソラナは対照的な動きを見せた。 ソラナ関連商品は、合計で4億2,100万ドル(約650億円)の純流入を記録。これは、ソラナにとって観測史上2番目に大きな週次流入額となる。この資金流入は、「最近米国でローンチされたソラナETF群によって牽引されたもの」で、年初来の累計流入額は33億ドルに達している。
また、イーサリアムも5,760万ドルの純流入を記録したが、方向性は定まっておらず、同レポートでは「投資家のセンチメントが混在していることを示した」と報告している。
この顕著な資金流出からもわかるとおり、もはやビットコインは米国の金融政策と無縁ではない。追加利下げが行われるのか決定される12月9日~10日の会合にも、大きな注目が集まりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.33円)




