暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースは8日、2026年度第1四半期の決算を発表し、3億9,400万ドル(約618億円)の赤字を計上したことを明らかにした。総収益は14億ドル(約2,196億円)と前四半期比21%減となり、市場全体の時価総額および取引高が前四半期比で20%以上落ち込んだことが業績を直撃した。
コンシューマー向け・機関投資家向けともに前期比で取引収益が大幅減少
収益の内訳を見ると、取引収益は7億5,600万ドル(約1,186億円)で、コンシューマー向けが前期比23%減の5億6,700万ドル(約889億円)、機関投資家向けが27%減の1億3,600万ドル(約213億円)といずれも大幅な減少となった。
また、サブスクリプション・サービス収益も5億8,400万ドル(約916億円)と前期比16%減少。営業費用に至っては14億ドル(約2,196億円)と前期比5%減少しており、コスト削減の取り組みは進んでいるものの、減収幅をカバーするには至らなかった。
公式Xに投稿された「すべてがオンチェーンに移行している」というコメントには、様々な反応が集まった。投稿のリプライには「株価がまた下落している」「すべてが悪化している」といった批判がある一方で、「コインベースは未来だ」と長期的な成長への期待を示すコメントも寄せられ、ユーザー評価が二分されている。
市場低迷でも取引シェアは過去最高、デリバティブが急成長
厳しい決算となった一方で、調整後EBITDAは3億300万ドル(約475億円)の黒字を確保し、13四半期連続の黒字を維持した。
また、市場全体が低迷するなかでもグローバルな取引シェアは過去最高を記録した。デリバティブ取引の年換算収益は2億ドル(約313億円)に達し、開始2ヶ月の予測市場も1億ドル(約157億円)を超えるなど新たな収益源の成長が続いている。
今後、コインベースは「AIネイティブ」企業への移行を掲げ、人員削減を含む組織再編を進める方針だ。これに伴う構造改革費用として5,000万〜6,000万ドル(約78〜94億円)を第2四半期に計上する予定で、年間では約5億ドル(約784億円)のコスト削減を目指すとしている。
手元の現金および現金同等物は100億ドル(約1.5兆円)、総利用可能リソースは120億ドル(約1.8兆円)と財務基盤は引き続き堅固だ。経営陣は収益の多様化とAI活用による効率化を軸に長期的な成長を追求する姿勢を示している。
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