米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズCIOマット・ホーガン氏は1日、ストラテジーの永久優先株式「STRC」の変動について、「暗号資産サイクル終盤に見られる動きだ」との見方を週次メモで示した。同氏は、STRCをめぐる混乱がビットコイン(BTC)下落の大きな要因になったとしつつ、市場は底値に近づいていると強調している。
STRC急落で表面化した安定性と資金使途のずれ
ホーガン氏が問題視したのは、STRCの表面的な安定性と実際の資金使途のずれだ。STRCは1株100ドル前後での取引を目指す高利回り商品として設計され、105億ドル(約1.7兆円)を集めた。しかし、その資金はストラテジーによるビットコイン購入に使われたという。
このずれが表面化したのが、直近のSTRC急落だ。ビットコインとMSTR株の下落を受け、STRC価格は100ドル近辺から75ドルまで下落した。ホーガン氏はSTRCをめぐる混乱について、「安定性を求める投資家資金が実際には値動きの大きいビットコイン購入に使われていた構造が表面化したものだ」と整理している。
一方でホーガン氏は、ストラテジーの支払い能力そのものには大きな懸念を示していない。同社が496億ドル(約8兆円)相当のビットコインと26億ドル(約4,225億円)の現金を保有する一方、債務は68億ドル(約1.1兆円)にとどまるためだ。ただし、これとは別に155億ドル(約2.5兆円)の優先株コミットメントがあり、批判派はこれを重荷と指摘する。ホーガン氏は、極端な状況ではストラテジーが優先株の配当を停止できる点も挙げている。
ストラテジーの役割は「一方向の買い手」から変化へ
ホーガン氏は、ストラテジーが配当義務履行のため必要に応じてビットコインを定期的に売却できる新たな枠組みについても言及している。同氏はこの対応について「STRCを1株100ドル近辺で維持する従来方針からの転換だ」と整理。今後は100ドル近辺の価格維持を目指さず、市場価格に委ねる方針だとした。
一方で、ホーガン氏はストラテジーのビットコイン市場における役割が変化したとも見ている。これまで同社は世界最大級のビットコイン買い手で一方向の需要源だったが、今後は市場環境に応じてビットコインを買うことも売ることもある存在になる可能性があるとした。
次の市場局面を主導する買い手として、ホーガン氏は機関投資家を挙げている。銀行や資産運用会社、年金基金などが、今後のビットコイン需要を支える可能性があるとの見方だ。
ストラテジーは今後、ビットコインの保有方針とSTRCの配当対応を並行して問われることになる。市場が新たな枠組みを安定材料とみるのか、売却リスクとして意識するのかが焦点となりそうだ。
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