モバイルゲームおよびブロックチェーンゲームを展開する東証スタンダード上場のenish(エニッシュ、3667)は9日、保有するビットコイン8.063BTCをすべて売却したと発表した。売却額は7,926万5,000円で、2026年3月末時点の評価額8,548万7,000円を下回ったことから、同社は差額の622万2,000円を暗号資産(仮想通貨)売却損として計上した形だ。
ソラナ活用のアクティブ・トレジャリー事業推進へ
エニッシュは売却理由について、ソラナ(SOL)を活用した「アクティブ・トレジャリー事業」の推進準備の一環として、投資資金を確保するためと説明している。同社は3日付の発表で、デジタルアセットを活用した収益創出と事業成長の循環を伴う新たな事業モデル「DAT2.0」の構築を推進するとしていた。
今回の売却で得た資金に加え、4月27日付で公表した第三者割当による新株予約権や無担保社債などの資金調達により、同事業の推進を図る方針だ。売却損については、2026年12月期第2四半期会計期間に営業外費用として計上する予定としている。
エニッシュは2025年4月、事業展開と財務戦略の一環として約1億円の取得金額をもとにビットコインを購入していた。自社ゲームでの技術理解や収益確保を狙った戦略だったが、DAT2.0への転換に伴い、ビットコインを基軸とした「保有中心」の初期戦略に区切りをつけた形だ。
ソルプラネットと協議開始、SOL運用高度化を視野に
一方、ソラナに特化した企業向け戦略・技術支援を行うソルプラネットは同日、エニッシュとの間で、同社のソラナ・デジタルアセット・トレジャリー戦略の高度化に向けた協議を開始したと発表した。
主な協議内容には、企業が自社ブランドでソラナ・バリデーターを構築・運営するための「Solplanet White Label Validation Program」の提供が含まれる。このほか、SOLのステーキング運用高度化や将来的な外部委任獲得、バリデーター関連事業やホワイトラベル型バリデーション事業の可能性も検討するという。
ただし、ソルプラネットは、現時点で具体的な事業開始、サービス提供、収益計上、業務提携契約などは決定していないと説明した。エニッシュも、アクティブ・トレジャリー事業の推進に伴う今後の業績への影響については現在精査中であり、開示すべき事項が生じた場合には速やかに知らせるとしている。
今回のビットコイン売却は、エニッシュがソラナを活用した事業モデルの構築へ移る節目となる。今後は、ソルプラネットとの協議を通じて、ステーキングやバリデーター関連事業がどのように具体化されるかが焦点になりそうだ。
関連:国内上場企業エニッシュ、1億円相当のビットコイン購入を発表
関連:コンヴァノ、BTC戦略主導の東取締役が退任へ──評価損の経営責任を明確化
関連銘柄:
BTC
SOL



