機関投資家や金融機関によるイーサリアム活用を支援する独立非営利団体「Ethereum Institutional(イーサリアム・インスティテューショナル)」が1日、正式に発足した。ステーブルコインや資産トークン化、オンチェーン市場インフラを検討する事業者の専用窓口として機能し、イーサリアムを機関投資家や金融機関向けの金融基盤にすることを目指す。
イーサリアム導入を検討する事業者向けの相談窓口に
同団体は、イーサリアム財団の市場開拓チームが進めてきた機関投資家対応を引き継ぐ組織だ。資金面では、イーサリアム・トレジャリー企業のビットマインやシャープリンク、イーサリアム共同創設者のジョセフ・ルービン氏らが主要支援者として名を連ねる。
機関投資家や金融機関向けの窓口を設ける背景には、イーサリアムがすでにオンチェーン金融の主要な利用基盤の一つになっている点がある。同団体によると、イーサリアム・メインネット上のステーブルコイン残高は約1,800億ドル(約29兆円)で、全体供給量の約60%を占める。トークン化された現実資産(RWA)でも約3分の2がイーサリアム上にあるという。
資産運用、銀行、決済、カストディ、市場インフラの各分野では、既に複数の金融機関がイーサリアム上での構築を進めている。競合するブロックチェーン陣営も機関投資家向けの事業開発を強めており、同団体はこうした状況を踏まえて発足した。
東京など主要金融都市にも展開へ
イーサリアム・インスティテューショナルは、これまでに大手銀行、資産運用会社、政府系機関、カストディ事業者、市場インフラ企業など500以上の機関との関係を築いたとしている。同団体によると、フォーラムに参加する150人超の幹部が統括する運用資産が合計で約250兆ドル(約4京円)に上るという。
活動分野は、機関投資家向け教育、情報提供、イーサリアムとエコシステムの広報、標準化とベストプラクティス、イベント運営の5領域である。拠点はニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポールに加え、東京、チューリヒ、フランクフルト、アブダビへ広げる方針だ。
シャープリンクのジョセフ・シャロムCEOは、金融機関がトークン化やステーブルコイン、新たな金融市場インフラを巡り「関心から実行へ移っている」と述べた。
また、イーサリアム・インスティテューショナルのデイビッド・ウォルシュ事務局長は、イーサリアムの中立性は強みである一方、事業者が直接対話できる信頼できる独立したパートナーが必要だと説明した。その上で、機関投資家の要件を大規模な導入につなげることが同団体の役割だとしている。
ステーブルコインやRWAの利用が広がる中、事業者向けの相談窓口を設ける意義はある。中立性を保ちながら、どこまで実務導入につなげられるかが注目だ。
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ETH
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.4円)



