ソラナを基盤とする完全オンチェーンの予測市場「World(ワールド)」が7月1日、ローンチした。ソラナ最大級のウォレット「Phantom(ファントム)」に統合され、オラクルにはチェーンリンクを採用する。同日の関係各社の発表で明らかになった。
ファントムに統合、数千万ユーザーが即利用可能に
ワールドの特徴は、取引のすべてがブロックチェーン上で完結する点にある。市場の開設からポジション、精算までがオンチェーンで処理され、資金はユーザーが市場に参加するまでウォレットから動かないという。
従来の予測市場の多くは中央集権的な基盤に依存し、資金をオフチェーンへ移す必要があった。ワールドはこうした手間を省くとしている。
配信面ではファントムとの統合が軸となる。ファントムはソラナで最も使われるウォレットで、2,000万人超の利用者を抱える。ユーザーは別アプリを入れず、ファントム内から予測市場にアクセスして取引を始められる。
ファントムは、この統合を7月中に展開する複数の配信提携の第一弾と位置づけている。
決済はチェーンリンクとステーブルコイン「CASH」が担う
結果の確定と精算には、チェーンリンクのオラクル基盤が使われる。ワールドはチェーンリンクのデータストリームと「Chainlink Runtime Environment(CRE)」を通じ、高速なデータ取得と即時の市場解決を実現するとしている。
決済用のステーブルコインには、ファントムが手がける「CASH」を採用する。勝ちポジションの償還を、ソラナ上で低コストかつ自動で行えるという。
チェーンリンクラボの最高事業責任者ヨハン・アイド氏は「主要な予測市場が人手に頼る従来型オラクルから脱し、即時解決を可能にする分散型基盤へ移行する流れの重要な節目だ」とコメントした。
開始市場はBTC価格とW杯、規制は流動的

開始時点の市場は、暗号資産の価格と国際サッカーが中心となる。短期のビットコイン(BTC)の上下を当てる市場や、2026年のFIFAワールドカップ(男子)に関する市場が並ぶ。
今後は暗号資産やスポーツに加え、地政学やマクロ経済へと対象を広げる計画だ。
予測市場は世界的に拡大する一方、規制は流動的だ。米国では大手のポリマーケットやカルシが無期限先物への参入を進めるが、一部の州は予測市場を違法賭博として提訴する動きを見せている。
ファントムはワールドへのアクセスをiOS・Android・デスクトップで提供する。ワールドは7月中に、フィンテックと暗号資産の両分野で追加の配信提携を予定しているとしている。
関連:ポリマーケット、チェーンリンクと提携で予測市場の精度向上──改ざん耐性データで数百万ユーザーに信頼性提供
関連:カルシ・ポリマーケット、無期限先物参入へ──NY州は予測市場を違法賭博として提訴



