JPYC株式会社は15日、日本円ステーブルコイン「JPYC」の大型アップデートを発表した。法人の大口利用などで課題とされていた「1日100万円」の発行上限を「1回100万円」へと変更したほか、アジア圏に強みを持つブロックチェーン「Kaia(カイア)」に新たに対応し、利便性と流通経路の拡大を図るとしている。
法人・大口利用の課題となっていた発行上限の変更
これまでJPYCの発行や償還には、関連法に基づく「1日あたり100万円まで」という厳しい制限が存在した。例えば1億円分を発行するには100日を要する計算となり、企業間の貿易決済や大口ユーザーの資産運用において、これが実用上の大きな足かせとなっていた。
今回のルール変更により、発行上限は「1回あたり100万円」へと緩和された。不正利用防止のため短時間の連続申請には制限がかかるとしているが、これまでの日数単位の制約は緩和される形となる。大口資金の発行手続きを従来より短期間で進めやすくなり、法人利用や決済用途での活用範囲拡大につながる可能性がある。
また、今回新たに対応した「カイア」は、韓国IT大手カカオ系「クレイトン」とLINE系「フィンシア」が統合して誕生したレイヤー1ブロックチェーンだ。JPYC社は、韓国、インドネシア、タイ、台湾などアジア地域で高まるステーブルコイン需要を背景に、JPYCの活用機会拡大や流通経路の強化を見込んでいる。
償還時のネットワーク条件についても緩和が実施された。これまでは予約時にネットワークとアドレスの選択が必要だったが、今後は登録済みアドレスであれば、どの対応チェーンから送付しても償還対象となる。複数チェーンを跨ぐ運用が容易になり、全体の流動性向上に寄与する見通しだ。
発行上限の緩和は、関連法の枠組み内で最大限の利便性を追求した結果といえる。連続申請の制限を設けることでコンプライアンスを担保しつつ、大口決済のニーズに応えた点は意義深い。カイア対応によるクロスボーダー決済の土壌も整い、実用化のフェーズが一段上がったと言えるだろう。
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