仮想通貨を活用した先進的財務戦略が始動、買い増しにも意欲
エネルギー管理プラットフォームの開発・提供を手がける米企業「KULR Technology Group(クーラー・テクノロジー・グループ)」は26日、217.18BTC を約2,100万ドル(約33億円)で購入したと発表した。この購入は、同社が掲げる「ビットコイントレジャリー戦略」の一環であり、1BTCあたりの平均価格は約96,556ドルであった。
本発表を受け、同社の株価は3.44ドルから一時4.93ドルまで上昇し、43%強の伸びを記録した。

同社は12月4日に発表した戦略で、ビットコインを財務プログラムの主要資産に位置づけ、余剰現金の最大90%をビットコインに割り当てる方針を示していた。今回の購入は、この戦略を実行に移した初めての事例となる。
会長兼CEOのマイケル・モー氏は、12月の戦略発表時に「ビットコインの普及はまだ初期段階であり、将来的な価値の上昇が期待される」と述べ、同資産が地政学的リスクやインフレといったマクロ経済への負荷実性に対する防壁となる可能性を強調していた。
同社は、ビットコインの保管および取引において米大手暗号資産(仮想通貨)取引所「Coinbase(コインベース)」の「Prime」プラットフォームを採用。これは、高度なセキュリティ機能と管理体制を備えた法人向けサービスであり、クーラーの仮想通貨運用の信頼性と安全性を支える。
今回の約2,100万ドル相当のビットコイン購入は、今後予定されている継続的な購入プログラムの第一弾である。同社は市場動向やキャッシュフローの変動に対応しながら、柔軟かつ戦略的にビットコインを取得していく方針だ。マイケル・モーCEOは、「当社は変化する状況に迅速に適応する能力を備えており、常に最適な判断を下す準備ができている」と述べている。
クーラーの取り組みは、仮想通貨が企業の財務戦略において主要な役割を果たす時代の到来を示唆している。今回の購入が同社の成長にどのような影響を与えるのか、そして業界全体の新たなトレンドとして注目を集めるのか、今後の展開が期待される。
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