ビットコイン最高値更新で利益確定が急増、価格調整リスクに警戒=Glassnode

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

過去24時間で約700億円の利確が3回発生

オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Glassnode(グラスノード)」は3日、過去最高値更新を背景にビットコイン(BTC)投資家の利益確定が加速していることを公式Xで警告した。同社はオンチェーン指標の動向から、ビットコイン市場が本格的な「利益確定フェーズ」に突入する可能性を示唆している。

グラスノードが注目したのは、投資家が保有していたビットコインをどの程度の利益を伴って売却しているかを示すSOPR(Spent Output Profit Ratio)という指標だ。同社が共有した時点でのSOPR水準は1.15を突破。多くの投資家が平均取得価格よりも16%高い価格でビットコインを売却しているという。また、「このような高い利確が記録される日は全体の8%未満に過ぎない」とも指摘しており、現在の利益確定水準が歴史的にも稀な水準であると強調した。

さらに、グラスノードは短期間での実現利益急増にも懸念を示している。同社は4日に公式Xを更新し、ビットコインのRealized Profit(実現利益)データを共有。過去24時間のうちに、1時間あたり5億ドル(約719億円)規模の利益確定が3回記録されたことを明らかにした。これは、売却圧力が市場で強まりつつある兆候と考えられ、ビットコインの今後の価格変動に影響を与える大きな要因となり得る。

ビットコインの価格は記事執筆時点で105,655ドル付近を推移。前日比+0.19%の小幅な上昇を見せている。5月22日には112,000ドルに迫る勢いも見られたが、その後一時的な反落を見せている。今後グラスノードが指摘する利益確定の動きが強まれば、急激な価格調整に入る可能性も懸念しておかなければならないだろう。

BTC/USD日足ローソク足チャート
出典:TradingView

ビットコイン投資家の利益確定の急増は、SOPRやRealized Profitといったオンチェーン指標が裏付けている。短期的には売却圧力の高まりが市場に影響を与える可能性があるため、価格の変動には注意が必要だ。歴史的にも高水準の利確が観測される中、投資家心理の変化が今後の市場での注目ポイントになるだろう。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.82円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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