EthenaとSecuritize、共同で新ブロックチェーン「Converge」発表

JinaCoin編集部
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画像はConverge公式Xより引用

機関投資家の資本流入を支える新たなブロックチェーン基盤

ステーブルコイン開発企業「Ethena(エセナ)」と実世界資産(RWA)トークン化企業「Securitize(セキュリタイズ)」は18日、新たなブロックチェーン「Converge(コンバージ)」の立ち上げを発表した。コンバージは伝統的金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)を統合し、デジタルドルの決済基盤として機能することを目的としており、2025年第2四半期にローンチ予定だ。

現在、DeFiの総資産ロック額(TVL)は1,000億ドルに達しているが、世界の金融市場と比較すると依然として小規模である。そのため、従来の金融市場からの資本流入を促進するためのインフラが求められている。エセナとセキュリタイズは、この機会を活かすべく提携し、機関投資家がDeFiにアクセスしやすい環境を整備する。

エセナは、コンバージ上でステーブルコイン「USDe」「USDtb」「iUSDe」を発行し、DeFi市場の決済基盤を提供するほか、機関投資家向けのDeFiアプリケーションの開発・提供を担う。これらのステーブルコインは、コンバージのガストークンとしても機能し、取引の利便性を高める。また、エセナのネイティブガバナンストークンである「ENA」は、sENAとしてステーキング可能であり、コンバージのバリデータ報酬としても利用される。すでに約60億ドル規模のDeFiエコシステムを持つエセナは、これをコンバージへ移行し、機関投資家がアクセスしやすい形でDeFiの機能を強化する。

一方、セキュリタイズは、コンバージ上での実世界資産(RWA)のトークン化を推進する。セキュリタイズは、「BlackRock(ブラックロック)」、「Apollo(アポロ)」、「Hamilton Lane(ハミルトン・レーン)」、「KKR」といった世界有数の機関投資家から約20億ドル規模のオンチェーン証券の管理を任されている。この実績を活かし、コンバージをRWAの発行・管理・取引の主要プラットフォームとして機能させる役割を担う。

以下の5つのプロジェクトがすでにサポートを表明している。

  • Horizon by Aave Labs(ホライズン)
     TradFiとDeFiを橋渡しするための市場を構築。
  • Pendle Institutional(ペンドル・インスティテューショナル)
      iUSDe向けの金利投機インフラを提供。
  • Morpho Labs(モルフォ・ラボ)
     エセナおよびセキュリタイズのためのモジュール型マネーマーケットを展開。
  • Maple Finance(メープル・ファイナンス)、SyrupFi(シロップファイナンス)
     USDeおよびRWAに基づくオンチェーンの信用商品を提供。
  • Ethereal DEX(エセリアルDEX)
     エセナの流動性を活用した高性能なデリバティブおよび現物取引を展開。

また、コンバージはTradFiがオンチェーンでの取引を可能にするため、許可制のアプリケーション群を提供する一方、パーミッションレスなDeFiエコシステムも並行して展開される。

コンバージは、EVM互換のネットワークとして設計され、開発者がイーサリアムと同様の環境で構築できるようにする。技術仕様や開発者向けのドキュメントは今後数週間以内に公開される予定であり、その後、正式なテストネットのリリースが続く。メインネットのローンチは2025年第2四半期に予定されている。

今回の発表は、TradFiとDeFiの融合という次世代の金融インフラを示唆するものである。セキュリタイズのトークン化証券とエセナのDeFiプロダクトの統合により、規制された金融市場と分散型エコシステムの共存が期待される。

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