米司法省(コネチカット州連邦検察)は8日、ビットコイン(BTC)の強奪を狙った誘拐事件で、ミズーリ州セントルイスのサイフ・ファイク被告(22)が罪を認めたと発表した。
同被告は、商取引妨害を目的とした強盗の共謀(ホッブズ法強盗)を認め、最高で禁錮20年が科される可能性がある。量刑の言い渡しは8月28日に予定されている。
標的は「数億ドルのBTCを盗んだ人物」の両親
事件が起きたのは2024年8月25日。コネチカット州ダンベリーで、ランボルギーニ・ウルスを狙った暴力的なカージャックと、車内にいた2人の誘拐が発生した。実行役のフロリダ州の男6人は同日逮捕されている。
捜査の結果、誘拐された2人は、数億ドル相当のビットコイン窃盗に関与した人物の両親だと判明した。犯行グループは、その盗まれたビットコインの一部を奪い取ろうとして、強盗と誘拐を計画・実行したとされる。暗号資産そのものではなく、それを保有する人物の家族を狙った点に、この事件の特異さがある。
ファイク被告は、犯行への参加者を勧誘し、計画された住居侵入と誘拐のためにコネチカット州へ渡航。被害者の監視にも加わったという。司法省によると、同被告は2025年11月の逮捕以降、勾留が続いている。
兄弟や実行役も有罪、暗号資産保有者への物理的脅威
事件には複数の人物が関与していた。ファイク被告の兄弟であるアダム・イザ被告は、携帯電話や暗号化メッセージアプリで誘拐犯らと連絡を取り、計画の段取りを指示し、資金も提供したとされる。
イザ被告も6月1日に同じ罪を認め、量刑を待つ間、勾留されている。カージャックと誘拐に直接関与した他の6人も、すでに全員が有罪を認めた。
今回の事件は、暗号資産を巡る犯罪が、オンライン上のハッキングや詐欺だけにとどまらないことを示している。秘密鍵や資産を狙い、保有者本人やその家族に直接危害を加えようとする「物理的」な攻撃は、近年その深刻さを増している。
ブロックチェーンセキュリティ企業の調査では、保有者を暴力や脅迫で襲い秘密鍵を奪おうとする「レンチ攻撃」が、2025年に前年比で大幅に増えたと報告されている。
資産がオンチェーンでいくら堅牢に守られていても、保有者という「現実世界」の弱点を突かれれば被害は免れない。大口保有者ほど、自身や家族の安全管理にも目を向ける必要性が高まっている。
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